【ピアノ】作曲家が示した和音分割法は、原則尊重しよう

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本記事では、
両手による和音分割の分担を例に
原則、作曲家の意図を第一に演奏すべき理由を
解説しています。

 

「和音を両手でどのように分割するのか」

ということについては

さまざまな作曲家があらゆる指示をしていますが、

演奏者はどうしても「弾きやすさ」を優先してしまいがち。

 

具体例を挙げます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

シューマン「謝肉祭 20.ペリシテ人と戦うダヴィッド同盟の行進」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲尾)

譜例の最終小節では

楽譜通りに演奏するとなると

手を交差させて左手で最高音を弾くことになります。

しかしこれを、

「下から、左手で2音・右手で2音」

のように勝手に和音分割を変えてしまっている演奏があります。

 

それでも成立はしますし、

むしろ弾きやすいことは事実。

しかし、シューマンは

あえて手を交差させて演奏してほしいと

楽譜にメッセージを残しているのです。

 

◉ 演奏する指の違いからくる、和音の微妙なニュアンスの違い
◉ 手の交差による、視覚的なパフォーマンス性

など、いくつかの意図があるからなのでしょう。

 

他の作曲家が同じようなところで手を交差させない、

などというのは関係のないこと。

原則、その楽曲ではその作曲家の意図を第一に演奏しましょう。

 

(再掲)

ちなみに、最後から3小節目では

左手で弾く和音と右手で弾く和音が交差して

「入れ子」になっていますが、

ここも同様の理由で、原則楽譜通り演奏すべき。

 

譜読みをするというのは、

このような作曲家の意図をていねいに読み取っていくことも

含めてのことです。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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