ショパン「エチュード op.10-1」などのように
分散和音で素早く上がり下がりする楽曲の場合、
一度横ズレを起こしてしまうと
修正がききにくいですよね。
運指においても、
一度それを間違えてしまうと修正がききにくいパッセージって
意外と見受けられます。
例えば、以下のような例。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、109-115小節)
ここでの右手で演奏する動きのように
ジグザグしたり回り込んだりしながら進行していくケースでは
運指が意外とやっかいなものになります。
そのため、
親指をくぐらせるところをはじめ
一度運指を間違えてしまうと
修正が容易ではありません。
この楽章では
譜例のようなタイプの動き回る素材が
何度も出てきます。
◉ 展開部の後半
◉ 再現部 第2主題、コデッタ
(再掲)
さて、
「修正がきかぬ」「やっかいだ」
などとばかり言っていても暗くなるだけなので、
対策方法も挙げておきます。
以下の3ステップを踏まえて練習してみましょう。
② その運指をしつこいくらい書き込んでしまう
③「拍頭止め」練習をして暗譜する
①②は、とりあえず大丈夫だとしましょう。
すべては③への準備段階です。
「拍頭止め」練習についての詳しいやり方は
以前に解説しています。
拍頭止めを
しつこいくらい繰り返し繰り返しおこなうことで
各拍頭の音を “運指ごと” 覚えてしまうことができます。
そうすると、
仮に少しばかりヘロヘロっとなってしまっても
各拍頭、あるいは、
最悪でも次の小節頭からは
“正しい運指と共に” 復活することができる。
拍ごとの綿密な練習になるだけでなく
暗譜にとってもたいへん効果的な練習方法なんです。
運指を間違えると修正のききにくい細かな動きでは
とにかく、拍頭止め。
だまされたと思ってやり込んでみてください。
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