【ピアノ】必ずしも音型に沿ってダイナミクスニュアンスを付けなくてもいい

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作曲家がダイナミクスの松葉を書いていなくても
メロディラインの起伏に沿って
多少のダイナミクスニュアンスをつけることは
幅広く行われていますね。
一方、そのようなニュアンスを付けなくてもいい例は
いくつもありますので
そのうちの一例を挙げておきます。

 

具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

モーツァルト「ピアノソナタ第8番 K.310 第1楽章」

譜例(PD楽曲、Sibeliusで作成、94-97小節)

95小節目から96小節目へかけて

メロディの音域が上昇していくので

少し膨らませたくなりますが、

別の解釈もできます。

 

calando が書かれていますね。

モーツァルトの時代の calando は、
テンポは下げずにダイナミクスのみ下げていく

というのが有力であると音楽学で言われています。

それはさておき、

calando というのはただ小さくするというよりは

力がクゥーって抜けていくような印象。

譜例のところでも

ちょっと力無くなっていく感じで

 f のところで

「しっかりせいっ」

と気合いを入れられているように感じるのは

筆者だけではないと思います。

モーツァルトの人間味が表れているのではないでしょうか。

 

このように考えた場合、

メロディの音域が上昇していくところで頑張らないでおき

subito f までずっと calando のニュアンスを踏襲する、

というのも

ひとつの解釈としてアリでしょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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