ギーゼキングは、
以下のように発言したそうです。
「テクニックというものは、要するに頭脳との連携にある」
話の前後関係によっても意味合いは変わってきますが、
推測するに
以下のどちらかの意味があるでしょう。
◉ 頭脳の状態がメカニック的テクニックへ影響する
♬ 読譜して表現したい内容が明確になることで必要なテクニックが生まれる
という記事でも書きましたが、
本来テクニックというのは
表現したいことを表現するためにあるのです。
単純な例をあげると、
「あたたかい音」を出したいと思えば、
どうしたら「あたたかい音」が出るのか考える。
その結果、
「打鍵の速度」や「打鍵の角度」などの
テクニック的な問題に行き着きます。
また、
「ものすごい勢いで駆け抜けるエネルギー」
を表現したければ、
「メカニック的なテクニック」が
必要になることもあるでしょう。
つまり、表現とテクニックは表裏一体。
「表現かテクニック」ではなく
「表現とテクニック」が必要なのです。
ギーゼキングが
「テクニックというものは、要するに頭脳との連携にある」
と言ったのは、
「読譜力の重要性」を強調してのことでしょう。
頭脳も用いて楽譜をきちんと読み取ることで
表現の方向性が明確になる。
その結果、テクニック面と結びつく。
とうぜんのことでも、見落としがちな部分ですね。
♬ 頭脳の状態がメカニック的テクニックへ影響する
「テクニックというものは、要するに頭脳との連携にある」
という言葉を
もっと直球的に受け取ってみましょう。
お酒を飲んだ後にピアノを弾いてみたことはありますか?
普段よりもまったく指が動かなくて
驚いたことと思います。
指を動かすのは頭脳の命令によりますが、
酔っ払っているときは
頭脳が一種の異常状態なので
結局、指もうまく動かなくなるのでしょう。
酔っ払っても手は冷えません。
指の筋力が落ちるわけでもありません。
頭からの指令が働きにくくなった結果です。
指を動かすためには頭脳のハタラキが非常に重要ということもあり、
という記事では
普段の練習の中に
「頭を混乱させるトレーニング」
を織り混ぜることをオススメしました。
「テクニックというものは、要するに頭脳との連携にある」
というギーゼキングの言葉の中には、
「頭脳に楽ばかりさせていてはテクニックは上がらない」
という意味が入っていたのではないかとも推測できるんです。
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