【ベートーヴェン : ピアノソナタ】「入門おすすめ曲」と「楽譜の選び方」

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♬ ベートーヴェンのピアノソナタは、どの曲が入門におすすめ?

♬ 入門最適曲のおおよその難易度を知りたい

♬ どの楽譜を買えばいいのか分からない

 

こういった疑問に答えます。

 

■【ベートーヴェン : ピアノソナタ】「入門おすすめ曲」と「楽譜の選び方」

はじめに

 

ベートーヴェンのピアノソナタ全32作品は

ピアノ学習者にとって避けることができないほど重要な傑作集です。

 

少しづつ学習も進んできて、

「いよいよ、ベートーヴェンのピアノソナタに挑戦してみたい」

と鼻息荒くなっている方も多いことでしょう。

何にせよ、昔の筆者もそうでした。

 

しかし同時に、

「自分にも弾ける曲はあるのかな?」
「どの曲を選んで、どの楽譜を買えばいいんだろう?」
「楽譜を買ってから弾けなかったらヤダから、今のうちに難易度を知れないかな?」

などと、不安や疑問に思う部分もたくさん出てきていますよね。

こういったお悩みは本記事を読むことですべて解決します。

 

ベートーヴェンのピアノソナタの中には

いわゆる「難曲」と言われている作品もあります。

しかし、そういった楽曲ばかりではありません。

一般的に思われているよりも敷居は高くなく、

中にはツェルニー30番導入程度の力があれば充分に独学でも挑戦でき、

尚且つ、音楽的に素晴らしい作品もあるのです。

 

先に結論だけを書いてしまうと、

今回の紹介する作品は、

「ピアノソナタ第5番 Op.10-1」
「ピアノソナタ第9番 Op.14-1」

の2作品です。

選曲の基準として、以下の2つのことを考慮しました。

一般的に、一番取り組みやすいとされている
「2つのやさしいピアノソナタ Op.49」の2曲は、
ソナチネアルバムにも入っているため、今回は除外。
有名な「月光の曲」など、
「一つの楽章のみ」であれば取り組みやすい作品は他にもあるけれども、
今回はあくまでも「全楽章」に取り組むことを想定して選曲。

■入門におすすめの楽曲および楽譜

♬ピアノソナタ第5番 Op.10-1

 

音源 : EuroArtsの公式チャンネル

 

Barenboim: Beethoven Sonata No. 5 in C minor, Op. 10 No. 1
(YouTube上でのみ再生できます。)

Barenboim: Beethoven Sonata No. 5 in C minor, Op. 10 No. 1

 

演奏難易度

 

2006年に放送されたNHK連続テレビ小説「純情きらり」はご存知ですか?

主人公の桜子(宮﨑あおい)が

音楽学校を受験する場面があるのですが、

その時の試験曲としても取り上げられました(第1楽章)。

桜子は音楽教師(キムラ緑子)にこの作品を与えられると、

桜子「このレベルの作品で試験を受けても大丈夫なのですか?」
教師「きちんと弾ければ大丈夫」

などといった内容の会話が飛び交い、印象的でした。

この会話からも読み取れるように、

Op.10-1は一般的に取り組みやすいソナタの一つとされています。

難易度的には、

「ツェルニー30番導入程度」の力があれば独学でも挑戦できます。

 

「テンポが速い」という面では

第3楽章はやや練習を要するかもしれませんが、

基本的には、どの楽章の難易度にも大きな差はありません。

 

この楽曲をオススメする理由

 

♬ 難易度的に取り組みやすい
♬ 楽曲がコンパクトで練習しやすい
♬ 巨匠 ヴィルヘルム・バックハウスのお気に入りソナタというだけあり、非常に音楽的

 

楽譜はコレを使おう

 

信頼性の高さから

ベートーヴェンのピアノソナタは一般的に「ヘンレ版」が使用され、

国際コンクールの標準楽譜にもなっています。

これ一冊を持っていれば一生モノです。

(後述のOp.14-1も収録されています。)

◉ ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ集 第1巻/ヘンレ社/原典版

 

一方、初めてこの分野に挑戦する学習者にとっては

ペダリング」や「運指」などが多く補筆されている解釈版の方が

練習をスムーズに進めてくれる可能性はあります。

したがって、

以下の楽譜を検討してみるのもいいでしょう。

日本を代表する名ピアニスト 故 園田高弘 氏の監修により、

彼自身の解釈が書き込まれた解釈楽譜です。

◉ 園田高弘 校訂版 ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ第5番 ハ短調 作品10-1(春秋社)

 

♬ピアノソナタ第9番 Op.14-1

 

音源 : EuroArtsの公式チャンネル

 

Barenboim: Beethoven – Sonata No. 9 in E major, Op. 14 No. 1
(YouTube上でのみ再生できます。)

Barenboim: Beethoven – Sonata No. 9 in E major, Op. 14 No. 1

 

演奏難易度

 

この作品は、

古典派の作曲家の比較的平易な作品を集めた

「ソナタアルバム(「ソナチネアルバム」の後続のような教材)」

と言われる楽譜集にも収録されている、

学習者にとって取り組みやすい作品となっています。

 

こちらも難易度的には、

「ツェルニー30番導入程度」の力があれば独学でも挑戦できます。

基本的には、どの楽章の難易度にも大きな差はありません。

 

ちなみに、

「ピアノソナタ第10番 Op.14-2

という兄弟的な作品もありますが、

「3:2のリズム」が多く出てくる他、

いくつかの点で

Op.14-1に比べると難易度は上がります。

音大入試などでも選曲されることがある作品ですので、

今回は除外しました。

 

この楽曲をオススメする理由

 

♬ 難易度的に取り組みやすい(先ほどのOp.10-1よりは、やや難易度が高い印象)
♬ 楽曲がコンパクトで練習しやすい
♬ Op.10-1に比べると知名度が高く、必要に応じてピアノ仲間にアドヴァイスを求めることができる

 

先ほどのOp.10-1は「短調」の作品でしたが、

このOp.14-1は「長調」の作品。

好みのキャラクターに合わせて選曲するのもいいですね。

 

楽譜はコレを使おう

 

やはり、国際的にも評価が高いヘンレ版がオススメです。

(先ほどのOp.10-1も収録されています。)

◉ ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ集 第1巻/ヘンレ社/原典版

 

以下、解釈版も参考までに。

◉ 園田高弘 校訂版 ベートーヴェン・ピアノ・ソナタ第9番 ホ長調 作品14-1(春秋社)

 

■練習のショートアドバイス

 

どちらの作品を選んだ場合でも、

第1楽章から順番に取り組んでいけば問題ありません。

また、

「運指をしっかりと決める」

ということを徹底しながらていねいに譜読みしていくことも大切です。

 

「ずっと憧れていたベートーヴェンのピアノソナタに今挑戦しているんだ」

という気持ちを常に思い出しながら練習するのが

継続のコツです。

これ、超大事です。

 


 

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