【ピアノ】上行型の半音階は、消え入るのに適した表現

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上行型による半音階というのは
消え入る表現と相性がいいので
デクレッシェンドを自然に聴かせることができます。

 

具体例を見てみましょう。

楽曲が変わっても考え方は応用できます。

 

モーツァルト「ピアノソナタ第14番 K.457 第3楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、217-222小節)

217-218小節では

分散和音が下行型で奏されますが、

219-220小節では

半音階が上行型で奏されます。

まずは、このような対照的な表現がとられていることを

意識してください。

 

ここで問題になるのは、

221小節目の p へどうやってたどり着くかということ。

カッコ付きデクレッシェンドの松葉は

筆者が補足したものです。

原曲にはこれが書かれていないので

「では、subitoで p にするのか?」

ということになりそうですね。

 

しかし、

半音階を見てみると

p のG音へたどり着く前に

一瞬の時間をとることができません。

それに、

スムーズにG音まで流れ込んでいるので

音楽的にsubitoで表現すると

ギクシャクしてしまう。

そこで、

デクレッシェンドの松葉を解釈として補足する」

という案が出てくるわけです。

 

感覚的なものではありますが、

上行型による半音階というのは

消え入る表現と相性がいいので

デクレッシェンドを自然に聴かせることができます。

例えば、以下のような例がありますね。

 

ショパン「ワルツ 第7番 嬰ハ短調 Op. 64-2」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、46-48小節

(再掲)

 

最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ」(音楽之友社)

という書籍の中でも、

219-220小節にデクレッシェンドを補うことは

推奨されています。

 

◉ 最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ (音楽之友社)

 

 

 

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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