数十年前、
地方のとあるラジオ音楽番組に呼んで頂いたときのことです。
当日はトークだけでなく
収録会場のピアノで演奏をすることにもなっていました。
しかし、
当日会場に入った途端、
驚きのあまり声が出そうになりました。
事前打ち合わせで「ピアノ」と言われていたものは
「25鍵のみのキーボード」だったのです。
もちろん、ペダルもついていません。
ピアノをやっている方は、
鍵盤数が1/3以下でペダルもついていなければ
ほとんどの作品の演奏は困難だということを
理解いただけることと思います。
パーソナリティの方は
トークはとても素晴らしい方でしたが、
ピアノ自体にはそれほど詳しくありませんでした。
加えて、
そのキーボードは
「ラジオ局の社長の私物を急遽借りてきた」
とのことで
「社長が聴く可能性もあるので、ちょっとでいいから放送で使って欲しい」
とまで言われてしまいました。
(「使わないと社長に申し訳ない」というニュアンスです。)
そこで、
キーボードを使って
楽曲の断片を片手で弾きながら
誰にでもわかるように「楽曲の解説」をし、
演奏自体は
ノートPCに入っていた録音データを流して頂いて乗り切りました。
この件は、筆者にも責任がありました。
以来、ラジオに限らず、
初めて伺う会場のピアノのチェックを徹底するようになりました。
「クラシックコンサートホール」でしたら
あまり心配は要りませんが、
「小さなサロン」「放送局」「ホームコンサート」
などでは念には念を入れたチェックが必要でしょう。
仕方のないことではありますが、
鍵盤がついている楽器はすべて「ピアノ」だと思っている方は
一定数いらっしゃるからです。
慣れていない会場での本番がある時には
必ず楽器の事前チェックを入れましょう。
仮に先方がピアノに詳しくなくても、
特に電子の場合は
せめて「鍵盤の数」くらいは数えてもらいましょう。
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