♬ どうしてここにアクセントが書かれているんだろう?
♬ どうしてここにテヌートが書かれているんだろう?
こういった疑問を持つことはありませんか?
本記事で解決しましょう。
アクセント記号やテヌート記号が書かれているとき、
その意図は明らかの場合がほとんど。
しかしときどき、
「どうしてここに書かれているんだろう?」
などと思うこともあるはずです。
それらの理由としては、
まず、以下の3点が挙げられます。
♬【アクセント】その音からフレーズが始まるというサイン
これについては
という記事でまとめています。
♬【テヌート】ていねいに音を出して欲しいというサイン
これについては
という記事でまとめています。
♬【アクセント、テヌート共通】その音にやや長く留まって欲しいというサイン
これについても
先ほどと同様の記事の中でまとめています。
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加えて
今回取り上げたいのが
以下の内容です。
♬【アクセント、テヌート共通】ここのラインが重要だというサイン
作曲家は「アクセント記号」や「テヌート記号」を
「ここのラインが重要ですよ、という意味のサイン」
として使うことがあります。
具体例として、
ラヴェル「メヌエット 嬰ハ短調 M.42」を取り上げます。
譜例(PD作品、Finaleで作成、16-18小節)
丸印で示したラインにアクセント記号がついている理由は、
ただ単純に強調して欲しいという意味ではなく、
「このラインが重要ですよ、という意味のサイン」
として書かれていると考えられます。
そうでないと、
「いかにも主役に聴こえるトップラインのメロディよりも強調するの?」
などという疑問が出てきてしまいますよね。
もう少し詳しく解説します。
新しい楽曲を譜読みするときに
その曲のメロディを
「これがメロディだよね」
などと演奏者が認識できる理由は、
「それが、聴感上主役に聴こえるから」
というのはもちろんです。
同時に
「楽譜に存在感を持って書かれているから」
という理由も大きいでしょう。
しかし、
上記の譜例のように
「内声部分に隠された重要ライン」
「伴奏部分に隠された重要ライン」
などを示したい場合、
作曲家は頭を悩ますことになります。
作曲家は大事なラインを伝えるために
楽譜上、そのラインに存在感を与える必要がありますよね。
そこで、
「アクセント」「テヌート」などの記号を書くことで
サインにするということなのです。
【補足】
ちなみに、
以下のようにして存在感を与えることもあります。
ドビュッシー「子供の領分 1.グラドゥス・アド・パルナッスム博士」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、3-5小節)
上段に注目してください。
「声部分け」することで
細かいパッセージの中にある大切な音を説明。
このやり方のほうがよく見かけます。
疑問に出会ったら、
今回取り上げた全てのパターンを知っておいた上で
「どれに当てはまるかな?」
などと考えてみて下さい。
作曲家によって
音楽記号というのはあらゆる意味を持つのです。
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