はじめに、以下の譜例を見てください。
シューマン「ユーゲントアルバム(子どものためのアルバム) 楽しき農夫 Op.68-10」
譜例(PD作品、Finaleで作成、曲頭)
このような、
「メロディが伸びているところで伴奏を刻む」
という手法を「補足リズム」といい、
特に、リトミックの教程ではよく話題になります。
リズムが鳴っていないところで、それを打って補足するわけですね。
この譜例のところでは
右手パートが
ただ単純にリズムを打っているだけでなく、
部分的にメロディを1オクターブ上で遅れてなぞっていて
エコーのような効果も出ています。
もう一例見てみましょう。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、45-46小節)
この2小節は、
「ヘミオラ」の手法でひとつにまとめられています。
右手パートの下声と左手パートが10度音程でハモっていき、
そのリズムのスキマを埋めるように
メロディがシンコペーションで出てきている点に
注目しましょう。
先ほどの例とは表現形態は少し異なりますが
これも補足リズムの一種。
補足リズムは
あらゆる作品でひんぱんに出てくるので
見抜くと同時に
それらの独特なサウンドへ耳を傾けるようにしましょう。
こういった微妙なサウンドの引き出しを増やしていくと、
それが使われている新しい作品を耳にしたときに
取れる情報が増えますし、
ピアノアレンジの可能性も広げることができます。
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