フィンガーペダルとは、
「楽譜上の音価では伸びていない音符を、指で残すテクニック」
のこと。
フィンガーペダルでバスを残すかどうかについては
まず最初に考えるべきですが、
残すことに決めた後もまだ考慮すべき点があります。
それは、強調するかどうかです。
フィンガーペダルで残すバス音を強調すると
それらの音を旋律のように聴かせることができます。
ただし、何でもかんでも強調してしまうのは音楽的とは言えません。
例えば、以下の譜例を見てください。
譜例(PD作品、Finaleで作成、曲頭)
この譜例は、
原曲のバスをフィンガーペダルで残すと仮定し
声部分けしたものです。
このような
ほとんど同じ音に留まっていたりと旋律的でないバスに対して
強調をしてしまうと
ただ単にうるさいだけになってしまいます。
ここでフィンガーペダルを使うことで
和声の響きに厚みが出るので、
使うこと自体は問題ありません。
ただし、上記のような理由から
バスを旋律的に強調するのは望ましくないでしょう。
やや深めに響かせて
左手パートの他の音と弾き分ける程度で充分です。
なぜわざわざこんなことを書いているのかというと、
我々はどうしても
フィンガーペダルで残す音を
無条件に強調してしまいがちだからです。
「このテクニックでバスを残すときに強調するかどうか」
という視点をもったうえで
譜読みをしていきましょう。
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