出版されている楽譜に書かれている運指には
何かしらの意図があります。
ある程度きちんとした出版社の楽譜であれば
力のあるピアニストや研究者が
番号付けを担当していることがほとんど。
したがって、
その運指を研究してみることで
解釈やテクニックの参考になることがあります。
今回は
「速いパッセージに書かれた、5の指の連続による運指」
に目をつけました。
具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、201-202小節)
譜例のように
201小節1拍目の高音では
多くの出版社の楽譜で
5の指を連続使用するように書かれています。
速いパッセージに対してなので
疑問に思う方もいらっしゃるはずです。
他の運指でも演奏できるところですから。
おそらく、
この運指は
「解釈の可能性」を伝えていると考えられます。
つまり、
「5の指で演奏する2つの音を、ややテヌート気味に引き伸ばして演奏する」
言い換えると、
「たっぷりめで下降し始めて、降りながら巻いていく」
ということを運指で伝えているかのようです。
それでしたら
5の指を連続使用しても間に合いますし
むしろ、最適の運指になります。
もちろん、
テヌートせずに演奏しているピアニストもたくさんいるのは事実。
一方、ここで言いたいのは
「運指の意図を考えることで、解釈などの参考になることがある」
ということ。
日頃からこれを意識した上で
譜読みを進めてほしいと思います。
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