【ピアノ】速いパッセージに書かれた、5の指の連続による運指

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以前に、
【ピアノ】書かれている運指の意図を考えるのは、良い学習方法
という記事を書きました。
本記事では、
それに追加で具体例を挙げながら
「運指と解釈との関連性」
について考えていきます。

 

出版されている楽譜に書かれている運指には

何かしらの意図があります。

ある程度きちんとした出版社の楽譜であれば

力のあるピアニストや研究者が

番号付けを担当していることがほとんど。

したがって、

その運指を研究してみることで

解釈やテクニックの参考になることがあります。

 

今回は

「速いパッセージに書かれた、5の指の連続による運指」

に目をつけました。

 

具体例を挙げます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ショパン「ピアノソナタ第3番 ロ短調 作品58 第1楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、201-202小節)

譜例のように

201小節1拍目の高音では

多くの出版社の楽譜で

5の指を連続使用するように書かれています。

速いパッセージに対してなので

疑問に思う方もいらっしゃるはずです。

他の運指でも演奏できるところですから。

 

おそらく、

この運指は

「解釈の可能性」を伝えていると考えられます。

つまり、

「5の指で演奏する2つの音を、ややテヌート気味に引き伸ばして演奏する」

言い換えると、

「たっぷりめで下降し始めて、降りながら巻いていく」

ということを運指で伝えているかのようです。

それでしたら

5の指を連続使用しても間に合いますし

むしろ、最適の運指になります。

 

もちろん、

テヌートせずに演奏しているピアニストもたくさんいるのは事実。

一方、ここで言いたいのは

「運指の意図を考えることで、解釈などの参考になることがある」

ということ。

日頃からこれを意識した上で

譜読みを進めてほしいと思います。

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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