演奏論として有名な書籍としては以下の3種が挙げられます。
② レオポルド・モーツァルト「ヴァイオリン奏法」
③ クヴァンツ「フルート奏法」
これらすべて必携ですが、
ピアノ学習者にとって特にオススメしたいのは
①と②の2冊です。
これらの書籍は深く見ていくと
とても一度には解説できません。
そこで、
ピアノ演奏に関連する内容の一部を
ごく簡潔に解説します。
C.P.E.バッハ「正しいクラヴィーア奏法」
C.P.E.バッハ「正しいクラヴィーア奏法」は、
「運指」について研究する資料として
非常に有益なものとなっています。
C.P.E.バッハが生きていた当時のモラルや慣例は
運指にも影響があり、
必ずしもすべての内容を
現代のピアノ演奏へ応用できるわけではありません。
しかし、
運指を選ぶというのはどういうことなのかを
根本から考えて理解を深めていきたい方には
時間をかけてでも
読んでいただきたい内容となっています。
ちなみに、
博士論文のうち、
「運指」について研究されている論文の
参考文献一覧を見てみると
高い確率で掲載されている一冊。
学習者から専門の研究にまで広く信頼を集めている、
歴史的名著です。
◉ カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ 正しいクラヴィーア奏法 第一部
◉ カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ 正しいクラヴィーア奏法 第二部
レオポルド・モーツァルト「ヴァイオリン奏法」
レオポルド・モーツァルト「ヴァイオリン奏法」は、
我々に馴染み深い “W.A.モーツァルト” の “ピアノ作品” を演奏するときにも
有益な資料です。
演奏論「ヴァイオリン奏法」では
ヴァイオリン奏法のみならず、トリルの入れ方など、様々なことが書いてあります。
W.A.モーツァルトの音楽の師は、父親のレオポルド・モーツァルト。
つまり、W.A.モーツァルトを勉強するなら、
その音楽教育の師であるレオポルド・モーツァルトの考え方を踏まえた方が得策ということです。
当時も必要に応じて奏法を変更することは行われていましたが、
基礎がなかったわけではありませんし、
それは「ヴァイオリン奏法」からも読み取れます。
◉ レオポルト・モーツァルト ヴァイオリン奏法 [新訳版]
どちらの書籍も
中級以上向けの内容ですが、
基礎ができている上で
さらに学びを深めていきたいという方にはオススメ。
当時の音楽家が
どういったところにプライドを持って音楽をやっていたのかを
学んでください。
これらの演奏論は有名な資料のため
何種類かの翻訳がされており、
その中でも
上記「全音楽譜出版社」の書籍の訳は
文章が読みやすく評価が高いものとなっています。
取り上げなかったもう一冊、
「クヴァンツ : フルート奏法」に関しても、
荒川恒子さんによる訳(全音版)には定評があります。
Amazon著者ページ
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