ゆっくりのテンポで譜読みをしているときには
最適だと思っていた運指が
テンポを上げた途端にやりにくく感じることがある。
例えば、次のような例。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第21番 ハ長調 op.53 ワルトシュタイン 第3楽章」
譜例(PD作品、Finaleで作成、80-81小節)
80小節目の右手のパッセージに運指を書き込みました。
345と235のどちらでも弾けるのですが、
この箇所は
最終的には相当速く弾くことになるので
弱い指が2本も含まれる345よりも
235で弾いたほうが
本番で音が抜けたりする可能性は下がります。
しかし、問題になるのは
ゆっくりのテンポで弾いているときには
となりあった指を使う345のほうが
むしろ弾きやすく感じてしまう可能性があるということ。
何度も何度も同じ運指でさらったあと、
テンポが上がると
ようやく弾きにくい運指だと気付くことになる。
これは、あまりいい手順とは言えません。
相当な速さで弾くことになるところは
テンポ上げて弾いて運指を探ってみることも
最初の段階から取り入れてください。
まだ上手く弾けなくても問題なく、
その運指でいけるかどうかの見当をつけることが大切。
以前から何度も書いている
「一拍ずつ速く弾く練習」は
譜読みの段階から実践することを前提としているので、
この方法を取り入れることで
速く弾く場合に最適な運指を確かめることができます。
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