以前から書いているように、
演奏するたびに毎回運指が変わってしまうと
譜読みがはかどらず
「暗譜」をする際に足をひっぱる原因にもなってしまいます。
「やりにくい」と感じるところがあったら
その際は変更可能ですが、
その場合にも、
「じゃあ、これでいく」
というような「決定」が必要。
それは前提のうえで、
「どうしても音を引っかけてしまう」などの
何かしらの問題が出てきたときには
試行錯誤し、何度も検討すること。
そうすると、たいてい解決するはずです。
今使っている運指で闇雲にさらうことだけが
問題解決の道ではありません。
もっと言うと、
ある部分について
「一応弾けるけれども、何だか弾きにくい」
などと、前からずっと感じている場合、
その心の声を聞き逃さないでください。
本番直前に運指を変えるのは危険ですが、
そうでなければ何度でも再検討してみましょう。
自分で試行錯誤しながら探していく努力は
とうぜん必要ですが、
それでも上手くいかなければ
他人の力を借りて何とかしてしまえばいいんですよ。
リアルな知り合いに上手な友人がいれば
運指を示してもらうのもいいですし、
「いろいろな版を見てあさり、書かれている運指を徹底調査する」
というのも手。
これだって、知り合いではない他人の力を借りる良い方法です。
筆者は学生のころ
ブラームス「ピアノソナタ 第2番 嬰ヘ短調 Op.2」
に取り組んでいた時期があったのですが、
第1楽章の中に
ヘンレ版に書かれている運指では
どうも自分の手に合わなくて
試行錯誤しても良い案が出ない部分がありました。
そこで、同曲のありとあらゆる版を手元へ寄せて徹底的に見比べたのですが、
そのうちのひとつの楽譜に書かれていた運指を試したら
解決しちゃったんですよ。
それまでの筆者はやったことのなかった解決法だったので
まさにブレイクスルーでした。
有名は作品であればあるほど
さまざまな種類の楽譜が手に入ります。
こういう運指検討を
ガンガン試してみてください。
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