「ベートーヴェンの後期のピアノソナタは、ロマン派に属すのかどうか」
という話題が
たびたび挙がります。
この決着のつかない議論はともかく、
ロマン派の作風に近づいてきていることは明らかです。
しかし、
「聴いた雰囲気がロマン派っぽい」
といったことのみではなく、
「ベートーヴェンが残した指示語」
などといった直接的な面でも
ロマン派への予兆が読み取れます。
例えば、
ベートーヴェン「ピアノソナタ第29番 op.106 ハンマークラヴィーア」
の第1楽章には
「非常に感動をもって」
第3楽章には
「憧れに満ちあふれて」
とロマンティックな書き込みがあります。
こういったロマン主義的な言葉の書き込みは
時代をさかのぼっても
少なくとも良く知られている作品には
ほとんどみられないものです。
こういった些細な書き込みからも
ロマン派への予兆が見られ、
明らかに中期までのソナタとの違いを感じますよね。
「伴奏形がモーツァルトっぽい」
「和声がショパンっぽい」
などと、
どうしても我々は
サウンド面ばかりで
楽曲について判断してしまいがち。
本記事で取り上げたような、
作曲家が残した “それ以外” の要素にも
目を向けて
楽曲の理解を深めていきましょう。
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