【ピアノ】深い響きの中から出てくる弱奏のつくり方

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「時間」と「耳」をうまく使うと
強奏の響きの中から
弱奏の響きを
美しく浮かび上がらせることができます。

 

具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ラフマニノフ「音の絵 op.39-5」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、50-52小節)

ここでは

sff で重厚な音が響いたあと

その響きの中から生まれるかのように

p の和音が出てきます。

こういった、

深い響きの中から影のように出てくる弱奏の表現は

多くの作品で見られますね。

 

演奏のポイントがあります。

楽曲の前後関係にもよるのですが

少なくともこの譜例の場合には、

sff のところにある8分休符をやや長めにとり

そのぶん時間をかけて

p の響きをきちんとつくってください。

そして、だんだんと巻いていきます。

 

「弱奏であっても、自分の耳でしっかりと響きを聴き取っているかどうか」

これが大切。

自分で聴けていない状態で先へ進んでしまうと

その弱奏は聴衆の耳にも聴こえず

ただ通り過ぎただけになってしまいます。

 

こういう部分は

ある意味「相対的なダイナミクス」の観点が必要で、

sff をどれくらい深く響かせるのかによって

直後の p のダイナミクスは変わってくる。

深い響きの余韻を聴き続けて

その余韻に対してどれくらいの弱奏が適切なのかを耳で判断したうえで

弾き始めましょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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