♬ オーケストラスコアの読譜がピアノ演奏に活かせるって本当?
♬ 学習のメリット・懸念点は?
♬ 入門方法はどうやる?
こういった疑問に答えます。
オーケストラスコアを読めるようになると
ピアノ演奏にも大いに役立てることができます。
本記事では
入門方法もお伝えしますので、
まずはチャレンジしてみましょう。
経験ゼロでもまったく問題ありません。
■オケスコア読譜は ”一生もの” の技術(中級者以上向け)
♬ オーケストラスコアを読めるようになると得られるもの
まずは、
全体像として
オーケストラスコアが読めるようになると
どんなことができるようになるか知っておきましょう。
大きくは次の3つです。
◉「ピアノ協奏曲」を深く学べる
◉ ピアノ曲からも、オーケストラの音が聴こえるようになる
以下、それぞれの重要性を解説します。
◉ 作曲家自身が編曲した、ピアノ曲のオーケストラ版からも学ぶことができる
これについては以前に記事にしていますので
こちらを参考にしてください。
◉「ピアノ協奏曲」を深く学べる
「ピアノ協奏曲」と聞くと
敷居が高く感じる感じる方もいらっしゃるようです。
確かに高度な楽曲は多いですし、
ヴァイオリンなどのように
初歩段階から経験できる「学習教材に適した協奏曲作品」も
ほとんどありません。
しかし、
モーツァルトの緩徐楽章をはじめ
比較的取り組みやすい協奏曲楽章も。
多くの楽曲は、
オーケストラパートも
「ピアノ伴奏」や「カラオケ」で対応できますので
本番で披露することも夢ではありません。
故 中村紘子さんも
共演者との刺激が得られるし、音が出なければ弾けないし、いい勉強になる」
(抜粋、多少簡略化しました)
などといったことを公言されており、
ピアノ学習において協奏曲を経験することの重要性
を語っていました。
前置きが長くなってしまいましたが、
ピアノ協奏曲を深く学ぶためにも
オーケストラスコアを読めるようにしておくことを強く薦めます。
発表形式が「生のオーケストラ伴奏との共演」ではなく
「リダクションされたピアノ伴奏との共演」
でもいいのです。
その前の段階でオーケストラパートを勉強しておくことで
リダクションとの合わせにも活きますし、
ソロのピアノパートそのものを深く理解することにもなるからです。
◉ ピアノ曲をからも、オーケストラの音が聴こえるようになる
マスタークラスなどを聴いていると、
「このメロディはチェロが演奏しているような深い響きで」
などといったように
あらゆる要素をオーケストラの楽器にたとえた指導を耳にします。
こういった発想は割と軽視されがちですが、
実はとても重要なのです。
具体的に、
「攻撃的な音」を例にとりましょう。
気持ちやイメージが無いのに何となく弾いていると
攻撃的な音を出してしまっても
自分で不自然に思うことはありません。
つまり、
自分で修正のしようがないのです。
今出ている攻撃的な音で満足してしまう。
明確な気持ちやイメージがあるからこそ
「これは攻撃的な音だな」と気づく。
つまり、
ピアノ曲をからもオーケストラの音が聴こえるようになり
イメージの幅が広がると
頭の中にピアノの音色しか鳴っていなかった頃と比べて
表現の引き出しがグンと増えるのです。
♬ 学習の懸念点
ここまでを踏まえて、
オーケストラスコアを読めるようになることのメリットが
お分かり頂けたはずです。
では、
学習をするにあたって
やや懸念点となってくる部分についてもお伝えします。
今までピアノ曲の楽譜のみを読んできた方がつまづきやすいのは
大きく以下の4点でしょう。
◉ ヴィオラなどに「ハ音記号」が出てくること
◉ クラリネットなどの「移調楽器」が出てくること
◉ パーカッションや編入楽器に、見慣れない記譜や記号が頻出すること
ただ、安心してください。
入門の段階では
すべてをきちんと理解する必要はありません。
各楽器の大体の役割分担を把握するだけでも
スコアから相当の情報が手に入ります。
もっと詳しくなりたいと思えば
追加で学習すればいいのです。
♬ スコア・リーディングを学べる、オススメの入門書
以前にも記事にしましたが、
オーケストラスコアを読むための入門書を
改めて紹介しておきましょう。
以下の書籍は
重要な内容に厳選された上で
非常に簡潔に書かれているため、
入門者に適しています。
◉ スコア・リーディングを始める前に ~ピアノからオーケストラまで~ (楽器・楽譜の色々)
一部の音楽大学でも、
作曲科や指揮科以外の学生が
スコア・リーディングを学ぶための教科書にしている
やさしい入門書となっています。
定評のある一冊です。
まずはこれ一冊で充分です。
背伸びしてあまり複雑な書籍に手を出さないでください。
オーケストラスコアのリーディングは
ピアノ演奏の中級者以降でないと
やや学習ハードルはありますが、
一度身についてしまえば
あなたのピアノ学習に ”一生”役立ってくれます。
これを機会に
思い切ってあなたの音楽の視野を広げてみましょう。
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