■平均律で、プレリュードからフーガへ移るときの注意点
♬ プレリュードの最後で、テンポをゆるめすぎない
プレリュードからフーガへ移るときの
もっとも基本的な注意点は、
「プレリュードの最後でテンポをゆるめすぎない」
ということです。
プレリュードのタイプにもよりますが、
最後でテンポをゆるめたほうが音楽的な作品は多くあります。
「第1巻 C-dur」のプレリュードはもちろん
たいていのプレリュードはそうでしょう。
しかし、
プレリュードとフーガをトータルで考えて
音楽全体のプランをたてることが大切。
つまり、
プレリュードだけで
いかにも「終わりました感」を出すのではなく、
「一区切りではあるけれども、まだ続きますよ感」
を出したいんです。
そのためにも
テンポの運び方に気をつけて
プレリュードの後に段落感がつきすぎないよう注意しましょう。
「テンポをゆるめすぎず、息を入れる程度」
と考えてください。
♬ プレリュードの後、フーガを弾き始めるまでのインターヴァルは短めで
この項目についても前項と同様に
プレリュードとフーガをトータルで考えて
音楽全体のプランをたてることが大切。
「通常の曲同士を連続演奏するときのような長さのインターヴァル」
をとってしまうと、
はっきり言って長いでしょう。
少しの間をおいたら
割とあっさりフーガへ入ったほうが
全体のバランスはまとまりが出ます。
楽曲を知らない聴衆が聴いても
拍手が起きない程度のインターヴァルにしてください。
♬ プレリュードとフーガのテンポ設定のバランス
という記事でも書いたように、
プレリュードとフーガが対になっている番号の場合は
対比とするためにも
テンポ設定に気をつけましょう。
「プレリュードが軽快で、フーガがゆるやか」
という番号であれば、
プレリュードがのろくならないように気をつける。
フーガがせわしなくならないように気をつける。
「第1巻 e-moll」をはじめとした「急速なフーガ」の番号は、
フーガがのろくならないように気をつけつつも
プレリュードのテンポ設定を慎重におこなう。
繰り返しますが、
プレリュードとフーガをトータルで演出しましょう。
今回解説した3点さえ注意すれば、
何も考えずにつないでしまうよりも
まとまりのよい全体の構成となるでしょう。
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