日頃、
「ゆっくり練習(拡大練習)」や「片手練習」
などのメニューを
取り入れていることと思います。
今一度考えていただきたいのですが、
こういった練習は
何のためにやるのでしょうか。
大きな理由としては、
◉ 心配なところの動作や音楽性を再確認するため
などが挙げられるでしょう。
一方、
忘れられがちでも
同じくらい重要なのが
「耳を開くため」
という理由。
「ゆっくり練習」や「片手練習」をすることで
自分の音が聴き取りやすくなる。
しっかりと耳で聴き取る訓練になる。
例えば、
音をそろえるために
ゆっくり練習や片手練習を ”ていねいに” することで、
「音がそろうようになること」
だけが得られるのではなく、
「音がそろった状態とはどういう状態なのかがわかる耳」
も得ることができます。
このことを忘れずに練習してください。
だからこそ、
こういった練習こそ
集中しておこなわなければならないのです。
実際の楽曲には
両手での「(オクターブ)ユニゾン」
もしくは、
ハモリでも
「リズミックユニゾン(両手が同じリズムで動くこと)」
によるアルペジオやスケールがよく出てきますね。
例えば、以下のような例。
ショパン「ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11 第3楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲尾のピアノパートのみ)
この楽曲に限った話ではありませんが、
同じような場面では
必ず片手練習をしてください。
こういったアルペジオやスケールを見りゃあ
両手でばかりさらっている学習者も見受けられますが、
たいてい、利き手ではないほうの手が弾けていません。
これこそ、
先程解説した
「できている状態とはどういう状態なのかがわかる耳」
をつくるためにも
片手練習はもちろん
ゆっくり練習もしなくてはいけない場面。
問題なのは、
◉ そのまま何回さらっても、ごまかされたほうの進歩は永久的にない
ということです。
とうぜんのことですが、
「両手で弾く、それも、速く弾く」
これをやらないと
両手で速く弾けるようにはなりません。
しかし、
その以前の段階で学習者がやらないといけないのは
ハシゴをかけること。
そのハシゴのうちの数段が
◉ ”ゆっくりで” できている状態とはどういう状態なのかがわかる耳
これらをつくることです。
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