ある作品に取り組むとき
部分部分をどういうふうに弾こうかと考えることは
とうぜん必要。
一方、
その作品をもっと大きく全体で見たときに
どういった音色のプロフィールでみせていくかについて
いい加減になってはいけないと感じています。
音色のみでなく、
各種プランについて
必ず全体での把握も必要でしょう。
だからこそ、
取り組みはじめの段階から
その楽曲について
ありとあらゆる情報を入手しないといけないのです。
例えばコルトーは
生徒への指針として
以下のような内容を調べるように要求したそうです。
「アルフレッドコルトー ピアノ演奏解釈」
(アルフレッド・コルトー 著/ジャンヌ・ティエフリー 編集/店村 新次 訳 ムジカノーヴァ)
より抜粋して紹介します。
(以下、抜粋)
1. 作曲者の氏名、誕生と他界の年月日、ならびにその土地
2. 作曲者の国籍
3. 作品の標題、作品番号と献辞
4. 制作に影響を及ぼしたもろもろの状況、作曲者が入れた指示
5. 構想(形式、テンポ、調性)
6. 目立った特徴(和声的分析、受けた影響、類似性、系統づけ)
7. 作品の性格と意味(演奏者の評価に基づく)
8. 美学的、技術的註釈、研究と演奏のための注意事項
(抜粋終わり)
生徒が作品についての詩的理解を有するかどうかということを
コルトーは重視したとのこと。
多少たいへんさは伴いますが、
再現芸術でもあるクラシック作品を学ぶということは
ここまで含めてのことです。
このようにして、
作品についてのあらゆる情報を入手したうえで
今まで蓄積してきた経験や
実際に音にしていくときに出てくる感覚も踏まえる。
そうすることで
ようやく作品全体に関する各種演奏プランが決まってきます。
◉ アルフレッドコルトー ピアノ演奏解釈
(アルフレッド・コルトー 著/ジャンヌ・ティエフリー 編集/店村 新次 訳 ムジカノーヴァ)
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