同書はすべてに取り組もうとすると、
それだけで日が暮れてしまうほどの内容の多さです。
そこで、まずは「適切な抜粋」をおこない、
効率よく学習を進めていくべき。
結論からいきます。
「コルトーのピアノメトード」の中で
筆者がオススメする取り組むべき練習課題は、
「4本の指の練習-1本の指を持続(指の均一と独立)No.2a-2e」
この5曲のみです。
権利の関係で譜例は明示できませんが、
楽譜をお持ちでない方は
一冊手元に置いておくと練習の強い味方になります。
この5曲は、もちろん「指の独立」の練習ではありますが、
それとともに、
「頭を混乱させる内容である」
という点が大きな特徴。
「似ているけど少し異なるパッセージ」を
「高速」で繰り返すことで頭が混乱する。
さらに「1本の指を打鍵したまま」なのでなおさらです。
これは、ハノンなどにはない特徴ですよね。
レベルアップのために欠かせないのは、
「基礎練習の中で、頭が混乱した状態を意図的につくりだす」
ということ。
ハノンは極端な話、
考え事をしていても弾けてしまいますが、
頭が混乱すると簡単なことでもできなくなります。
それをできるようにすることで応用力がつく。
というのも、
実際の楽曲においては単純ではない中で
さまざまなテクニックを求められるからです。
ひとつ例を挙げます。
ブルグミュラー 25の練習曲 Op.100 より「バラード」
譜例1(PD作品、Finaleで作成、3-5小節)
譜例の箇所は、
単純に見えて頭の中は単純では済みません。
「右手だけだと速く弾ける」
「左手だけでも速く弾ける」
しかし、
「両手で合わせると頭が混乱して速く弾けないどころか、両手のタイミングが合わない」
という学習者の悩みはよくききます。
つまり、指を速く動かすために必要なのは、
「指の筋力」だけでなくて、
「頭がその状況に慣れていること」
これが必要。
そこで、
基礎練習の段階から
「頭を混乱させる練習」
に取り組むべきだと考えています。
また、上記のコルトーの練習課題などで、
「それぞれの手で異なる箇所にアクセントを入れておこなう練習」
これも筆者には効果がありました。
やはり、頭を混乱させる方法のひとつです。
繰り返します。
「コルトーのピアノメトード」の中で
どの練習課題に取り組めばいいか迷っている方は、
まずは、
「4本の指の練習-1本の指を持続(指の均一と独立)No.2a-2e」
この5曲のみに集中して取り組んでみましょう。
きっと、ハノンをやっているだけでは感じなかった進歩があるはずです。
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