「音楽理論の重要性」は
さまざまな現場でもよく耳にする話題。
音楽理論といっても幅は広いのですが、
ピアノ演奏で使われる場合、
「和声」をはじめ、
「演奏に直結する(であろう)部分の理論」
のことを指すことが多いようです。
そんな中、
ピアノを弾く方の中には、
理論をまなんでこなかったことに
コンプレックスを抱く方もいらっしゃるようです。
しかし、問題ありません。
覚えても使わないものは結局忘れます。
必要に思った部分だけそのとき一生懸命吸収して、
そこから広げていけばOK。
音楽って、
ハジから全部暗記していくような分野ではありません。
音楽大学の作曲科などで
音楽理論が入学試験にあるような場合でさえ、
はじめは注目する重要な部分を固めて
そこから広げていく。
そういう学習をとることが多く、
筆者自身もそうでした。
体系的な学習とは、
必ずしも1ページ目からまなぶことを指すわけではないのです。
話を伺っていると、
多くの学習者は
どうしても全部覚えようと思ってしまう。
例えば、
まったく分野は違いますが
ソフトウェアの操作ガイドなども
「ぜんぶ重要」と言わんばかりに
たくさんの操作方法が書いてあります。
しかし、
よほどのマニアでない限り
それらをすべて覚えている方はいません。
音楽理論でも似たところはあり、
必要な時に必要なことを覚えるようにすれば、
その理論(や手法)は「使う理論」なので
忘れにくく、かつ、忘れてもすぐに思い出せる。
つまり、「使える力」になります。
逆に、ピアノの指導者は
よほどの根拠がない限りは
「すぐ和声能力をつけないと」
などとあおるような発言には
気をつけなければいけないと思っています。
以前、
「どうして皆そんなに和声力を強調するのか」
という議論が起きたことがありました。
「和声力をつけると、どのようにピアノ演奏に結びつくのか」
このことをじっくり考える機会をもったことがあるかどうかが
重要だと思っています。
このことを考えずに
「和声力」
などと発言してしまっていないか、
そのときに筆者自身も考えるきっかけになったんです。
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