以前から
未知のピアノ音楽を知るために
1日1曲新しい作品を聴くか弾くかすることを
おすすめしてきました。
テーマの作曲家を決めて聴いていくのが
取り組みやすいやり方ですが、
作品数も多く
結局何から手をつけていいか悩む場合もあるでしょう。
そんなときにおすすめしたいのが、
「いったん、アルバムをまるっと聴いてしまう」
というやり方。
以下の手順を踏んでみましょう。
② その収録曲全曲の楽譜をIMSLPで用意する
③ 楽譜を閲覧しながら、最低1日1曲聴いていく
④ 全曲が大体わかったら、日常生活でそのアルバムを流しっぱなしにする
このやり方のいいところは、
アルバム収録曲なので
多少のマニアックな作品はありつつも
その作曲家の外すべきでない作品も知ることができるという点。
以下、もう少し詳細に解説していきます。
① 作曲家縛りのアルバム音源をひとつ用意する
まずは、CDでもレコードでもサブスクでもいいので
作曲家縛りのアルバムをひとつ用意しましょう。
例えば、
「20世紀の偉大なるピアニストたち ~ヴラディーミル・ソフロニツキー」
というCDアルバムには
ショパン縛りのディスク1と
スクリャービン縛りのディスク2がセットになっています。
仮に、
「スクリャービンの楽曲に明るくないから、知っておきたい」
という場合は
そのアルバムをはじから聴いていけばいいわけです。
ちなみに収録曲は、以下のようなラインナップ。
◉ ピアノソナタ 第9番「黒ミサ」 変ホ短調 Op.68
◉ ピアノソナタ 第2番「幻想ソナタ」 嬰ト短調 Op.19 第1楽章のみ収録
◉ 詩曲「焔に向かって」 Op.72
◉ 2つの舞曲 Op.73
◉ 24の前奏曲 Op.11-16 変ロ短調
◉ 3つの前奏曲 Op.35-2 変ロ長調
◉ 4つの前奏曲 Op.37-1 変ロ短調
◉ 2つの詩曲 Op.32
◉ 8つのエチュード Op.42-3 嬰ヘ長調
◉ ピアノソナタ 第4番 嬰ヘ長調 Op.30
4種類のピアノソナタは必ず知っておくべきですし、
その他の小品も
作品番号の浅い分かりやすいものから
ピアノソナタ 第9番「黒ミサ」よりも後に作曲されたものまで
魅力的な作品が集められています。
まずはこのようなアルバムを学習することで
◉ 大曲と小品をそれぞれ知ることができる
というメリットを享受しましょう。
② その収録曲全曲の楽譜をIMSLPで用意する
ご存知の方も多いと思いますが、
「国際楽譜ライブラリープロジェクト(IMSLP)」
を活用することで
パブリックドメインになっている作品の楽譜を
合法で無料閲覧することができます。
上記、①で用意したアルバムの収録曲の楽譜を
すべて集めてください。
③ 楽譜を閲覧しながら、最低1日1曲聴いていく
IMSLPで集めた楽譜を参照しながら
1日1曲聴いていきましょう。
IMSLPにある楽譜はPDFで手に入るので、
iPadでGoodnotesのアプリに
それらのPDFを取り込んで
気付いたことを書き込みながら
音源学習していくのがおすすめ。
もちろん、自分の学習のためだけに使うべきです。
そして、
「これは」と思える作品に出逢ったら
実際の楽譜を購入してください。
気になった部分は
実際にピアノで音を出して
確認してみるといいでしょう。
④ 全曲が大体わかったら、日常生活でそのアルバムを流しっぱなしにする
③までの過程で
アルバムをひと通り学習したら、
それを日常生活の中で
流しっぱなしにしてください。
何度か通し聴きしていると
全曲を「知っている楽曲」まで押し上げることができます。
はじめから流し聴きしてもいいのですが、
③までの「楽譜を見ながら学習する過程」を通過していることで
より楽曲と親密になることができるということ。
何十時間もある作品群を流し聴きしても
結局忘れてしまうのですが、
楽譜学習済みのアルバム単位での流しっぱなしは
記憶に残せるので効果的。
以上が、おすすめの4ステップ学習でした。
このようなやり方で何枚かのアルバムを
回していくと
知っている作品がどんどん増えていきます。
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