作曲家がテンポを数字で明確に指示してくれているケースはともかく、
多くの楽曲では
演奏者がテンポを決めていくことになります。
例えば、
ベートーヴェンのピアノソナタの中には
Allegro とだけ書かれている作品がいくつかありますが、
とうぜん、
どれも同じまったく速さで弾くというわけではありません。
結局のところ、
「作品の性格なども踏まえたうえで、表現したいことが表現できるテンポを選ぶ」
これが、最善のテンポ設定方法です。
時代によって作曲の背景が異なるので
一概には言えませんが、
基本的に、作曲家も具体的な数字でテンポ設定をする場合には
そういった表現面を考慮しています。
少なくとも優れた作曲家であれば
「ただ単に速く弾いて欲しい」
「ただ単にゆっくり弾いて欲しい」
「ただ単にゆっくり弾いて欲しい」
などといった適当なテンポ設定はしておらず、
「この作品では明るい情景を表現したいから、テンポは最低でも○○以上」
「この組曲第2曲目は第1曲目との対比で重々しさがほしいから、テンポはぜったい○○以下」
「この組曲第2曲目は第1曲目との対比で重々しさがほしいから、テンポはぜったい○○以下」
などと、
具体的な表現意図と結びついたテンポ設定をしているはずです。
もっと細かな意図があることのほうが多いくらいかもしれません。
作曲家が考えていたことを完全に理解することは
できないわけですが、
演奏者は演奏者なりに
何を表現したいかという意志と意識をもって
テンポ設定をしましょう。
そうすると、
少なくともその演奏者にとっての最善のテンポ選択になります。
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