演奏中にヨレヨレっとなってしまうことは
プロにでもありますので、
そういった瞬間的なアクシデントは
原則避けられないものだと思って構いません。
ただし、
そこでズルズルっと
いつまでもアクシデントの影響を引きずってしまうのは
なんとか避けるべきでしょう。
対策は大きく2つあります。
◉ 各段のはじめから弾き出せるようにしておく
難しいところは、拍の頭の音を覚えておく
以前、
「拍頭止め」という練習方法を紹介しました。
(参考:区切る!速いパッセージの具体的な練習方法 〜拍頭止め〜)
この練習方法にはさまざまな利点がありますが、
そのうちのひとつが
「繰り返ししつこく練習すると、拍の頭の音を覚えてしまえる」
という点。
少しヨレヨレっとなってしまったとき
それが速いパッセージの途中で
なおかつ、前後を忘れてしまったらたいへんです。
しかし、
拍の頭の音を覚えていれば
わずか数音の傷のみで
その先を続けていくことができます。
ぜんぶを拍頭止めで練習するのは
けっこう骨が折れるので、
速いパッセージや苦手なパッセージのみ
取り出してみるのでも構いません。
立て直しのための
大きな「保険」として
拍頭止めの練習を取り入れてください。
各段のはじめから弾き出せるようにしておく
前項目よりもざっくりとした立て直し方ですが、
一度止まってしまったら復活するのが難しい楽曲でこそ
使えるワザがあります。
「自分が使用している楽譜の、各段のいちばん左の小節から、演奏を始められるようにしておく」
というもの。
各段のいちばん左の小節が
必ずしも音楽的に区切りのいいところとは限りません。
しかし、
特にJ.S.バッハのフーガなどの
声部が入り組んでいる楽曲こそ、
どこからでも弾き始められるようにしておく必要があります。
そのひとつの基準として、
「各段のいちばん左の小節」
というのが目のつけどころ。
少なくとも、
「復活できずに曲頭からもう一度弾き始めてしまう」
という状況は回避できます。
本記事で解説した2点からアプローチしておけば
立て直しがきくため、
最悪の事態にはならずに弾き進めることができるはず。
この対策をすること自体が
練習のバリエーションになるので
積極的に練習へ取り入れてみてください。
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