上記の記事で取り上げたものとは別の作品例を
見てみましょう。
ブラームス「ピアノソナタ 第3番 ヘ短調 Op.5 第2楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
丸印で示した音に注目してください。
ここでのメインメロディは
とうぜん、上段に出てきている8分音符の動きですが、
下段の丸印で示した音が
16分音符ぶん遅れて
メロディを1オクターヴ下、部分的に2オクターヴ下でなぞっています。
時間差到達の味わいと
オクターヴユニゾンによる独特の音色が
メロディを効果的に演出しています。
こういったところでの演奏ポイントは、
存在感の優先順位を守ること。
具体的には、
エコーの存在を把握しつつも
あくまでメインは上段の動きであるということを忘れずに
丸印をつけた音は
上段の動きよりも目立たないバランスで弾き進めていく。
そうすることではじめて
ブラームスがこのような書法をとった意味が出てきます。
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