具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ラヴェル「クープランの墓 より フォルラーヌ」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、132-134小節)
132小節目では
pp からクレッシェンドをしていきますが、
◉ 到達点を134小節目の p のところにする
これらのどちらにするのかによって
ずいぶんと印象が変わってきます。
前者だと
いったん大きくしておき
すぐにsubito p にすることとなり、
後者だと
pp から p というように
少ししかクレッシェンドしないことに。
どちらで演奏している例も見受けられますが、
筆者は
「到達点を赤色で示した134小節1拍目にする」
このようにしたほうが得策だと考えています。
(再掲)
理由としては、
音楽のフレーズが
赤色で示した134小節1拍目でいったん一区切りとなり
p のところからは新たなフレーズが始まっているから。
したがって、
赤色で示したところが mf か f となるようにクレッシェンドして
新しいフレーズの始まりは
subito p で仕切り直したほうが
音楽の構造がよくわかるダイナミクス表現となります。
加えて、
赤色で示したところは和音が非常に厚いので
そこよりも直後の p のところのほうが大きいとなると
音楽エネルギーの逆をいってしまうから不自然、
というのも理由になるでしょう。
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