【ピアノ】聴衆の耳の「慣れ」を意識して

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本記事では、
フォルテの表現を活かすために必要なことを
「慣れ」の観点から解説しています。

 

ある程度の曲尺がある楽曲では

フォルテ以上のダイナミクスの箇所は

一曲の中で何回か出てくるはずです。

それらをどうやって演奏すれば

効果的に聴かせることができるのでしょうか。

ポイントのひとつは

「聴衆の耳を慣れさせない」

ということです。

 

人間の耳には「慣れ」があるので、

フォルテの音に聴衆の耳が慣れてしまうと

フォルテの効果が活きなくなってしまいます。

 

◉ フォルテのパッセージの中でも、重みを入れる音と軽く弾くべき音を見きわめる
◉ フォルテ以外のダイナミクスのところで不注意に大きくならないこと

この2つを心がけましょう。

 

音楽は相対的なものですので、

ある箇所を効果的に聴かせたいのであれば、

その前後を工夫する必要があるということ。

 

具体例として、オーケストラの「ティンパニ」を挙げます。

ティンパニの「トレモロ(ロール)」はフォルテで演奏すると

とても迫力があります。

しかし、迫力を出す時にずっとロールしていればいいわけではない。

力のある作曲家は、

聴衆の耳を慣れさせないように

必ず間引いたりすることで

叩くところをしぼり込んで効果的に使っています。

 

作曲されている以上、曲自体は変えられませんので、

「それを演奏における注意点としてやろう」

ということを言いたいのです。


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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