まず、以下の抜粋を確認してください。
「新版 モーツァルト 演奏法と解釈」著 : エファ&パウル・バドゥーラ=スコダ 訳 : 堀朋平、西田紘子 監訳 : 今井顕 / 音楽之友社 より
(以下、抜粋)
モーツァルトの f はとても大きな音から中くらいの音量にわたる、
幅広い範囲を含んでおり、
同じようにモーツァルトの p は、
豊かで歌うような mp からきわめて弱い p までを意味するのです。
《ピアノソナタ ハ短調 K.457》第1楽章展開部の冒頭にある f は、
ベートーヴェンの ff に相当するでしょう。
言うまでもなく、
強弱はそれぞれの作品の枠組みの中で解釈されなければなりません。
(抜粋終わり)
モーツァルトの f はとても大きな音から中くらいの音量にわたる、
幅広い範囲を含んでおり、
同じようにモーツァルトの p は、
豊かで歌うような mp からきわめて弱い p までを意味するのです。
《ピアノソナタ ハ短調 K.457》第1楽章展開部の冒頭にある f は、
ベートーヴェンの ff に相当するでしょう。
言うまでもなく、
強弱はそれぞれの作品の枠組みの中で解釈されなければなりません。
(抜粋終わり)
この抜粋内容を踏まえたうえで、
以下の譜例を見てください。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
①〜③まで3回にわたってsubitoで f になりますが、
この f をすべて同じ大きさで弾いてしまうのは
音楽的とは言えないでしょう。
1回目よりも2回目、2回目よりも3回目というように
音域が上がっていくので
3回目の f がこの中での頂点となるように
ニュアンスをつくるべきです。
エネルギーの上昇は
音域の上昇だけに見られるのではなく、
3回目は
カギマークで示したように
その主張が広がっていることからも読み取れますね。
こういった音楽のエネルギーの変化は
ダイナミクス記号のみを見ていても
読み取れないことがあります。
必ず、音域や音のカタチなどにも
目を向けるようにしましょう。
◉ 新版 モーツァルト 演奏法と解釈 著 : エファ&パウル・バドゥーラ=スコダ 訳 : 堀朋平、西田紘子 監訳 : 今井顕 / 音楽之友社
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