■ピアノライフで決して他人と比べてはいけない部分
♬ 手の大きさを他人と比べてはいけない
よく、
「自分は◯◯さんと比べて手が小さい」
と悩んでいる学習者を見かけます。
この背景には、
「手の大きさに自信を持った他人が、その点でマウントをとってくる傾向が強い」
ということが挙げられます。
直接言われることもあれば、
作曲家がおそらく
「柔らかい音が欲しい」
という意図で10度や11度の音程にアルペッジョを書いているにも関わらず、
手が届くからといってアルペッジョを勝手にとり払って
それを誇らしげに誇示されることもあったり。
ひどいケースでは
ピアノの先生が
「◯◯さんは◯◯度の音程もラクラク届くけどね」
などと同門の生徒同士の比較をしてくるようです。
手の大きさは
人間にとって変えることができない部分。
比較しても仕方がないんです。
もし、広い音程を同時におさえられなくても
アルペッジョにするか
分割して演奏すればいい。
もし、1オクターブがやっとだったとしても
一部のフランスものやモーツァルトの作品など
演奏者の手の大きさに対して
充分余裕をもって作曲されている楽曲を
選曲すればいいのです。
正直に言ってしまいますが、
少なくとも筆者が今まで接してきた人物に限って言えば、
手の大きさを自慢することでマウントをとってくる人物は
たいていあまり上手ではありませんでした。
そんなことには反応せず、
自分の身体に合った楽曲を好きになり
じっくりと音楽と向き合っていける学習者のほうが
よほど魅力的です。
それに、そういった心構えで練習できる方でしたら、
仮に将来ピアノを教えることになったときにも
決して生徒の手の大きさを指摘するようなことはしないですよね。
♬ 使っているピアノを他人と比べてはいけない
これにも惑わされてしまいがち。
というのも、
「使っているピアノの種類でマウントをとってくる人物が一定数いるから」です。
学習者同士に限った話ではなく、
調律師さんから
「この前伺ったお宅のピアノはいいピアノだったからやる気になったけど」
などと言われて嫌な気分になったという知人もいます。
「使っているピアノ」も
考え方によっては
(人間にとって)変えることができない部分。
中には買い換えるケースもあるかもしれませんが、
ピアノは高価な買い物ですので
基本的には一度購入した製品を
ずっと使っていくことになるからです。
「使っているピアノ」で悩む必要はありません。
今もっているピアノで出来る最高の練習をすれば、確実に伸びます。
ちょっと極端な例ですが、
ラファウ・ブレハッチですら
浜松国際ピアノコンクールで入賞した賞金で
グランドピアノを買ったそう。
「電子ピアノ」「アップライトピアノ」「グランドピアノ」、
さらには「メーカー」や「製造年代」、「ペダルの本数」等々、
ピアノの種類には実に幅があり
それぞれに特徴があります。
それにも関わらず、
心無い人物が自身のピアノを肯定するために
特定のピアノの良さを強くアピールしてきたりして
マウントをとろうとするケースがあるんです。
自分が使っているピアノで悩むべき瞬間は
ただひとつだけ。
それは、
自分が求めている音楽表現と
ピアノの状態に開きがあるかもしれないと
“自分で” 感じた場合
この場合のみです。
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