ダイナミクスの松葉が書かれていないからといって
平坦に演奏するわけではありません。
メロディに対して
どこでふくらませて、どこでおさめるのか。
こういったことは
メロディを理解した上で
自身で感じて
演奏へと反映させていく必要があります。
…と、ここまでOKですよね。
では今回は、
「ワンフレーズ中で、頂点の位置に迷いやすいケース」
について考えていきましょう。
具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、41-44小節)
譜例の①と②のうち、
どちらにこのフレーズの頂点がくると思いますか。
原曲にはダイナミクスの松葉は書かれていません。
①は、音程的にはいちばん高い音が出てきます。
②は、小節頭なので重みが入りそうですよね。
結論的には、
どちらに頂点を作っても間違いではありません。
新たな譜例を見てください。
これは、①のほうに頂点を作った場合を想定して
ダイナミクスの松葉を書き入れました。
こうすることで
音程的な頂点にきちんとエネルギーの頂点がきますので
メロディの抑揚もよくわかります。
続いて、さらなる新たな譜例を見てください。
これは、②のほうに頂点を作った場合を想定して
ダイナミクスの松葉を書き入れました。
「音程的な頂点(①)」よりも
「小節頭の強拍」への重みを重視した例です。
これでも充分に音楽的です。
これらどちらの例でも成り立つのですが、
それ以外の位置に頂点を作ってしまうのは
音楽的ではないでしょう。
上記2例のように
「頂点を作る理由」が説明できないからです。
あなたが取り組んでいる作品のメロディに対して
こういったことを考えた上で頂点を決定し、
どうしてそこが頂点だと言えるのか
説明できるようにしてください。
それさえ踏まえられていれば
極論、その解釈は間違いではありません。
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