【ピアノ】古典的なトリル演奏では、噛み合わせを決めておく

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以前にも少し触れたことのある話題ですが、
新たな譜例を用いながら
再度解説します。

 

具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

モーツァルト「ピアノソナタ第10番 K.330 第1楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)

2小節目と4小節目にトリルが出てきますが、

このようなトリル演奏全般で

最後に詰まってしまったりと

うまく弾けないことが多いと感じている方も

いるのではないでしょうか。

 

ハードルを下げる方法があります。

もう一方のパートの音とどこで噛み合わせるのかを

決めてしまってください。

 

例えば、譜例のトリルでは

さまざまな弾き方ができます。

奏法例の a) と b) は

「最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ」(音楽之友社)

という書籍で解説されている

このトリルにおける5種類の奏法例から

2つを抜粋したもの。

a) のほうは、

現行のヘンレ版付属の奏法譜で採用されている弾き方でもあります。

 

(再掲)

このように

奏法譜に目を通しておくか、無い場合は自分で作っておく。

そうすると

もう一方のパートの音、

つまりここでは「左手の伴奏」とどこで噛み合うのかが理解できるので

「ゆっくり練習(拡大練習)」をするときにも

正しい噛み合わせを確認しながら

練習することができます。

 

ロマン派以降だとアゴーギク自体にさまざまな解釈があり

テンポの揺れも大きく

装飾音にも多少の自由度が増しますが、

少なくともバロック~古典派の装飾音は

奏法譜として書けるようにしておくのが基本。

 

そうすると、毎回入れ方が変わってしまうのを防げるので

練習が積み重なっていきますし、

噛み合い方を決めてあるので

演奏するときの難易度がグンと下がります。

 

(再掲)

余談ですが、

上記の

「最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ」(音楽之友社)

という書籍では、

以下のような音楽的な演奏ポイントも解説されていて

参考になります。

(以下、抜粋)
2小節目と4小節目で同じ弾き方をしてもよいが、
例えば、a) と b) のような異なるものにすると、
フレーズ全体が
さらに変化のあるものになる。
(抜粋終わり)

 

◉ 最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ (音楽之友社)

 

 

 

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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