具体例で見てみましょう。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
2小節目と4小節目にトリルが出てきますが、
このようなトリル演奏全般で
最後に詰まってしまったりと
うまく弾けないことが多いと感じている方も
いるのではないでしょうか。
ハードルを下げる方法があります。
もう一方のパートの音とどこで噛み合わせるのかを
決めてしまってください。
例えば、譜例のトリルでは
さまざまな弾き方ができます。
奏法例の a) と b) は
「最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ」(音楽之友社)
という書籍で解説されている
このトリルにおける5種類の奏法例から
2つを抜粋したもの。
a) のほうは、
現行のヘンレ版付属の奏法譜で採用されている弾き方でもあります。
(再掲)
このように
奏法譜に目を通しておくか、無い場合は自分で作っておく。
そうすると
もう一方のパートの音、
つまりここでは「左手の伴奏」とどこで噛み合うのかが理解できるので
「ゆっくり練習(拡大練習)」をするときにも
正しい噛み合わせを確認しながら
練習することができます。
ロマン派以降だとアゴーギク自体にさまざまな解釈があり
テンポの揺れも大きく
装飾音にも多少の自由度が増しますが、
少なくともバロック~古典派の装飾音は
奏法譜として書けるようにしておくのが基本。
そうすると、毎回入れ方が変わってしまうのを防げるので
練習が積み重なっていきますし、
噛み合い方を決めてあるので
演奏するときの難易度がグンと下がります。
(再掲)
余談ですが、
上記の
「最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ」(音楽之友社)
という書籍では、
以下のような音楽的な演奏ポイントも解説されていて
参考になります。
2小節目と4小節目で同じ弾き方をしてもよいが、
例えば、a) と b) のような異なるものにすると、
フレーズ全体が
さらに変化のあるものになる。
(抜粋終わり)
◉ 最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ (音楽之友社)
Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV
X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano
YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg
筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、
数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。
コメント