ショパンコンクールから「学習」しよう② 〜音色編〜

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昨日の記事に引き続き、
「ショパンコンクール」で
最後まで弾けているのに、
止まらずに弾けているのに、
大きなミスはしていないのに、
指もよく動いているのに、
パス(通過)する方とそうでない方が出てくる、
この理由について筆者の考えを書いていきます。
学習の参考になれば幸いです。

 

あくまで筆者の意見ですが、

「すでに相当のレベルに達している演奏者」

のあいだで差がついているポイントは

大きく次の2点だと考えます。

◉ 音楽が自然論に沿っているか
◉ 音色の使い分け

 

そのうちの一つとして

「音楽が自然論に沿っているか」

という部分について昨日少し書きました。

今回は、

「音色の使い分け」

について書いていきます。

 

演奏を聴いていると

「この演奏者、とても素敵な演奏だけど音色が少し硬く聴こえるなあ。」

と感じることはありませんか?

 

その理由は

「打鍵速度」「打鍵角度」にあります。

 

一般的に、

打鍵速度を

「ゆっくりの打鍵速度」で打鍵すると

柔らかい音色が出ます。

「スコン!」と「速い打鍵速度」で打鍵すると

かための音色が出ます。

 

また、一般的に、

打鍵角度を

指の腹も使いながら押し込むように打鍵すると

柔らかい音色が出ます。

打鍵角度を、

真上から「カツン!」と打鍵すると

かための音色が出ます。

 

実際はもっとたくさんのテクニックが使われて

音色が作られていますが、

大きくは上記のようになっています。

 

一方、

「音色がかためで、なおかつ、音色に幅が少ない演奏」とは

次のようになっている傾向があります。

「打鍵速度や打鍵角度があまり意識されておらず、極論、音量の大きい小さいだけで音楽をコントロールしている」

 

打鍵速度や打鍵角度が変わらないと

音量が小さくなっても音色が柔らかくなるとは限らないのです。

指がどんなに速く動いていても、

間違えないで弾いていても、

演奏に差が出てくるのはこういった部分もあると

筆者は思っています。

それにこれらの部分は、

「意識された上で練習が積まれているかどうか」

といった部分が重要なので

練習量に比例して改善されるものではありません。

 

もちろん全員素晴らしい演奏ではありますが、

あえて学習の面から分析してみた場合の話でした。

 

一方、

音色の使い分けの幅がそれほど広くなくても

それをカバーするだけの他の要素があれば話は変わってきます。

過去のショパンコンクールの優勝者で

対照的な2名の例をあげます。

 

ユンディ・リは

「音色はそれほど多彩に使いこなさないけれども、

いさぎよいほどバリっと弾いて魅了するタイプの演奏」

 

ラファウ・ブレハッチは

「音色を多く使いこなす、歌にあふれる演奏家」

 

とてもざっくりとした書き方ですが、

おおむね演奏家としての方向性は捉えていると思います。

それは、

彼らの優勝後の活動におけるレパートリー傾向からも読み取れます。

 

この記事でいちばんお伝えしたいのは、

「音量の大きい小さいのコントロールだけでは、音色を細部まではコントロールできない」

ということ。

 

ショパンコンクール関連で

2回に分けて色々と書いてしまいましたが、

日本人の演奏&活躍の素晴らしさには本当に感激しています。

コンサートとして楽しんで聴きながらも

「学習する」という観点からも

残りのショパンコンクールを楽しみましょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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