【ピアノ】固い音色を適切に取り入れる

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「音が固い」というのは
良くない意味で用いられることが多くあります。
しかし、適切に取り入れれば
場面を引き締める良い効果を期待できるんです。

 

「ピアノ奏法の基礎」著 : ジョセフ・レヴィーン  訳 : 中村菊子 / 全音楽譜出版社

という書籍の中に、

以下のような解説があります。

(以下、抜粋)

リスト「パガニーニ大練習曲集 第3曲 ラ・カンパネラ S.141 R.3b」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、126-127小節)

もし君が、
譜例のリストの《カンパネラ》のパッセージのような
きらびやかな立った音を必要とする場合は、
当然、手くびに力を入れ、指を立ててひくことは許されるばかりではなく、
絶対に必要となる。


シューマン「パピヨン 第12番 Op.2 ニ長調」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)

また、シューマンの《パピヨン》の終曲の始めのフレーズは、
特に管楽器の音をまねて作曲してあるので、
そのような場合も、
固い手くびと、立った指でひかなければならない。

(抜粋終わり)

 

このような奏法を適切に取り入れられる例を

もうひとつ見てみましょう。

 

モーツァルト「ピアノソナタ第14番 K.457 第3楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、16-20小節)

上段で連打されるメロディG音を見てください。

オクターブによる3連打が

金管楽器を思わせるファンファーレ的な音づかいですね。

丸印で示した小節頭のG音は

単音になっています。

 

作曲の視点から見ると、

この単音は

16分音符の直後に演奏するからオクターブにしていないという

指の都合によるのではなく、

音楽そのものの要求ととらえていいでしょう。

つまり、

カギマークで示したように

単音のG音と、その後に出てくるオクターブのG音は

音楽的に別のものと分析するのが一案。

 

(再掲)

オクターブの固い響きの部分のみが

ファンファーレだと考えてみましょう。

上記、レヴィーンの解説にもあるように

手首をしっかりさせたうえで

指を立てて弾くと

ファンファーレ部分の音色を

ガラッと変えることができます。

 

きっぱりと言い切ったようなイメージで

音楽をまとめてください。

この作品に限らず

似たような場面が出てきたときには

本記事のことを思い出してほしいと思います。

 

◉ ピアノ奏法の基礎 著 : ジョセフ・レヴィーン  訳 : 中村菊子 / 全音楽譜出版社

 

 

 

 

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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