アルベルティ・バスというと
クレメンティやモーツァルトの作品のイメージが
強いのではないかと思います。
音楽学校で筆者が受け持っている
とある作曲の学生が
レッスンにピアノ曲をもってきたことがあるのですが、
その作曲作品の中盤、
いきなりアルベルティ・バスが出てきました。
もちろん曲調は
クレメンティやモーツァルトよりもずっと現代寄りのサウンド。
この作品へ触れたときに改めて
「同じ伴奏形でも、使われる文脈によってまったく異なる意味合いをもつ」
と感じたのです。
例えば、
バルトークやプロコフィエフなどにも
アルベルティ・バスを取り入れた作品がありますが、
クレメンティ達が古典派のあの時代に用いたのとは
まったく意味が異なってくる。
それがとうぜんのように使われていた時代と
使われる頻度が激減した時代に確信犯的に使うのとでは
「何のためにそれを使うのか」
という作曲のコンセプトから
まったく別のものであると言えます。
また、近現代以降の作品で使われたときのほうが
「アルベルティ・バスですよ」
という説明的な意味合いも強くなります。
演奏者は、
こういった
「異なる意味合いをもつ、同じ伴奏形」
にも譜読みで注目するべき。
さらに、
ピアノ音楽を作曲や編曲する場合も
使うかどうかは別として
あえてこういった
意味をずらした表現テクニックがあるということを
知っておくべきです。
とうぜん、アルベルティ・バスに限ったことではありません。
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