「割り切れない長大連符ともう片方の手の合わせ方」
について、具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ショパン「エチュード Op.25-7」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、27小節目)
ここでは右手と左手の合わせ方に迷うことと思います。
結論的には、
だいたいのところに入れて
最初と最後のつじつまがあっていればOKなのですが、
「それが難しくて困る」
という方もいらっしゃるはず。
その場合の解決策はひとつです。
譜例で示したように、
「等分でなくていいので、とりあえず合わせるところを決める」
というやり方。
(再掲)
この例の場合、
左手の音が1小節に58音あります。
右手の打点の数で割ってみると
「9.666…」
となり、割り切れません。
10音ずつで合わせるよりも
9音ずつで合わせたほうが
「3+3+3」で勘定しながら練習できるのでやりやすい。
「9 9 9 9 9 13」
というようになり
最後だけが13音になりますが、
音楽的には
rit. せずに次の小節までなだれ込むように突っ込んでも問題ありませんので
むしろ、13音を詰め込むのは効果的です。
次の小節で音楽が落ち着くので
わざわざ rit. する必要はないわけですね。
ちなみに、
小節頭に riten. と書かれていますが
これは rit. とは別もの。
「riten. と書かれているところからすぐにテンポを落とす」
という意味になります。
ただし、
左手で弾く音の数が多く
普通に弾いていれば自然と riten. になるので
あまり遅くしようと思わなくてもいいでしょう。
(再掲)
譜例を見ると
「ずいぶん点線が斜めになっている」
と感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、
出版社の浄書状態や臨時記号のつき方で
音符と音符の間の広さは変わるので
必ずしも
楽譜上、視覚的にタテが合いそうなところで
合わせようと思わなくてOKなのです。
「10 10 10 10 10 8」
という割り方もナシではありませんが、
10音の連続が意外と勘定しにくいということと
最後が8音で勢いが落ちてしまうため
あまりオススメできません。
譜例のやり方で上手く弾けるようになったら
そのまま仕上げてもいいですし、
「だいたいのところに入れて、最初と最後のつじつまだけ合わせる」
という、ほんらいのやり方に戻してもいいでしょう。
この練習を通して
どのあたりで左右の手の音を合わせるのか
という部分が身体に入っているので
だいたいで合わせる場合であっても
当初よりスムーズにいくはずです。
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