具体例を挙げます。
楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第4番 変ホ長調 op.7 第1楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、105-108小節)
ここでの左手の和音は
運指の工夫のみでは
どうしても音響をつなげることができません。
◉ 同音連打する音(B音)があるから
この2点が理由です。
したがって、以下のパターンの解釈が考えられます。
◉ ダンパーペダルを使って、つなぎ目の響きをサポートする
おそらく、後者の方が「現実的&音楽的」でしょう。
つまり、
「運指でつながらない和音のつなげ方」とは
とうぜん「ダンパーペダルを使うこと」なのですが、
ここで取り上げたいのは
◉どのように練習するべきなのか
という部分です。
♬ どのように使うべきなのか
(再掲)
まず、
使い方に関してですが
「和音のつなぎ目で短く踏むだけ」にしてください。
別のパートが動き回っている場合は
濁ってしまう可能性があるからです。
小節いっぱい踏んで
お風呂場状態になってしまっている演奏、結構多いんです。
また、
ペダルの使用意図が
「右手の多少の濁りに目をつぶっても、左手をつなげたいから」
というだけのことですので
薄く踏む「半ペダル」で充分です。
そのほうが、濁りを軽減できます。
(再掲)
踏む位置を決めるポイントは
「どの位置から踏み始めるかを決めておく」
ということ。
何となく踏むのでは
毎回踏む位置が変わってしまうので
練習が積み重なりません。
譜例では
「最後の16分音符3つ分(16分音符を3×4でとっている)」
で踏むようにしていますが、
慣れていない方は
少し頭がこんがらがる可能性もあります。
そこで、
「テンポを相当速く弾く」という条件付きで
「16分音符6つ分」のあいだ踏んでもいいでしょう。
なぜかというと、
細かいパッセージに使用するペダルというのは
テンポが相当速い場合には
濁りが気になりにくい傾向があるからです。
♬ どのように練習するべきなのか
(再掲)
次に練習方法についてですが、
とにかく、
体内でカウントをとりながら
左手とペダルのみでの練習をしてください。
「左手の和音連結が美しくできているか」を聴きながら、
「どのタイミングでペダルを踏むのか」
「半ペダルの踏み込み具合」
これらを完全に身体へ入れるつもりで練習します。
右手は「一拍ずつ速く弾く練習」をしてピカピカにする。
そして、
両手でゆっくりあわせていき
じきにテンポを上げていく。
比較的難しい箇所なので
このように段階を踏んで練習するのがいいでしょう。
本記事はここまでです。
大切なのは、
今回の譜例と似たようなところが出てくる作品を見たときに、
「ここは、この前学習したアレが応用できるかも」
などとひらめくことができるかどうか。
楽曲によってケースバイケースではありますが、
引き出しを増やしておくことで
ひらめける可能性も上がります。
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