シャンドールは
「シャンドール ピアノ教本 身体・音・表現」 著 : ジョルジ・シャンドール 監訳 : 岡田 暁生 他 訳5名 / 春秋社
という書籍の中で
暗譜のプロセスの四つの要素として
以下のものを挙げています。
(2)聴覚による暗譜
(3)筋肉の運動感覚による暗譜
(4)頭脳的ないし分析的な暗譜
この4番の解説の中で
以下のような文章があります。
この中の「繰り返しの勘定」という内容に
ピンとくるでしょうか。
具体例をひとつ見てみましょう。
ショパン「エチュード(練習曲)op.25-1 エオリアンハープ」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、46-48小節)
46小節2拍目から
同じ音型が繰り返されていますが、
一回多くなってしまったり
一回少なくなってしまったり
という暗譜のミスが目立ちます。
多少でも音型に変化があれば間違えにくいのですが、
まったく同じ音型の繰り返しというのは
かえって暗譜しにくい一面も。
少なくとも
この譜例の場合の対策方法はシンプル。
「繰り返しの勘定」をすればいいんです。
繰り返しは「7回」ですので、
「1回、2回、3回・・・」
などと、
心の中でカウントします。
小節線に頼って
「46小節の2拍目から繰り返し始めて…」
などと考えることは必要ですが、
それだけでは
高確率で回数を間違えます。
特に今回のような
小節頭から繰り返しが始まらないケースではなおさらです。
しっかりと、数えないといけません。
「回数を数える」というと
なんだか音楽的ではないように感じるかもしれませんが、
1回ごとに無意味なアクセントをつけたり
頭を振ったりしなければ
何の問題もありません。
この譜例のところのように
「繰り返しの勘定」に頼れる場面では
暗譜の手段のひとつとして活用するようにしましょう。
◉ シャンドール ピアノ教本 身体・音・表現 著 : ジョルジ・シャンドール 監訳 : 岡田 暁生 他 訳5名 / 春秋社
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