親指は手首についているということもあり、
ピアノ演奏において
他の指とはずいぶんと役回りが異なりますね。
力強い打鍵はもちろん、
親指を軸に手を運用することは多いですし、
オクターヴ演奏などで手を支えるのにも欠かせませんし、
きちんとしたカタチで
他の指の下をくぐらせることのできる唯一の指でもあります。
ピアノ音楽で求められるテクニックというのは、
親指の運用に頼る部分が非常に大きい。
例えば、ショパンのエチュード集をながめてみると
多くの楽曲における練習目的の中に
「1と2の指の開発」
が含まれています。
ショパンがそう言っていたわけではありませんが、
作曲的にそう書かれているんです。
何を言いたいのかというと、
ピアノ演奏において
親指の重要性をもっと認識すべきということ。
例えば、
ヴァイオリンやヴィオラにおいて
楽器本体を主に支えているのは
「あご当て部分」と「左手の親指」で、
弓を主に支えているのは
「右手の親指」です。
つまり、両手とも親指の役割が重要で
それらがおろそかになっていると
楽器の演奏をすることすらできません。
一方、ピアノという楽器では
我々が楽器自体を支えているわけではありませんし
演奏テクニック的に運指上必要であれば
はじめて親指が登場するわけです。
どうしてもそれらの重要性を軽視してしまいがち。
よく筋力を鍛えている方達が
「今どこを鍛えているのかを意識しながらトレーニングしている」
と言っていますね。
ピアノ演奏において
トレーニングという言葉を使うのには
少し抵抗がありますが、
言ってみれば、我々も同じようなことをすべきなんです。
練習意図として
親指の開発が意図されていることが明らかなのであれば、
きちんとそれを意識する。
また、練習時の意識だけでなく
ピアノ演奏において
親指がほんとうに重要な役割をもっているということを
数多くの作品へ触れる中で
確実に腑に落として理解しておく。
こういったことは、
大人の学習者なのであれば
入門が終わったくらいの段階から
もうすでに意識し始めるので
まったく早くありません。
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