ペダリングの基本は
濁らせないことにあるように感じるかもしれません。
しかし、
あえて濁らせるように使用することが有効なケースもあります。
その例としては、
などの記事で紹介したものがありますが、
本記事では
さらに別の観点から調べてみましょう。
以下の譜例を見てください。
ベートーヴェン「ピアノソナタ 第32番 ハ短調 op.111 第1楽章」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、19-21小節)
この譜例に出てくるような
短いグリッサンド的な3連符では、
ダンパーペダルを踏みっぱなしにすることで
クレッシェンドを迫るような効果で演出することができます。
一瞬で通りすぎるので、濁りは気になりません。
「濁っている、濁っていない」
というように聴こえるというよりは、
効果音的に響くので
問題を感じないわけです。
(再掲)
このような
クレッシェンドを伴うべきグリッサンド的な3連符は
実際のオーケストラ作品でもたびたび見られます。
さまざまな楽器でおこなわれますが、
例えば、コントラバスが高めの音域でグワっとやると
意外や、とても効果が高いんですよ。
上記以外の楽曲でも
似たような場面がときどき出てきますが、
弱奏、強奏関係なく
ダンパーペダルとクレッシェンドを補って演奏すると
こういった音型がもつ性格を
演奏に表すことができるでしょう。
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