具体例を見てみましょう。
楽曲が変わっても考え方は応用できます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、217-222小節)
217-218小節では
分散和音が下行型で奏されますが、
219-220小節では
半音階が上行型で奏されます。
まずは、このような対照的な表現がとられていることを
意識してください。
ここで問題になるのは、
221小節目の p へどうやってたどり着くかということ。
カッコ付きデクレッシェンドの松葉は
筆者が補足したものです。
原曲にはこれが書かれていないので
「では、subitoで p にするのか?」
ということになりそうですね。
しかし、
半音階を見てみると
p のG音へたどり着く前に
一瞬の時間をとることができません。
それに、
スムーズにG音まで流れ込んでいるので
音楽的にsubitoで表現すると
ギクシャクしてしまう。
そこで、
「デクレッシェンドの松葉を解釈として補足する」
という案が出てくるわけです。
感覚的なものではありますが、
上行型による半音階というのは
消え入る表現と相性がいいので
デクレッシェンドを自然に聴かせることができます。
例えば、以下のような例がありますね。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、46-48小節)
(再掲)
「最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ」(音楽之友社)
という書籍の中でも、
219-220小節にデクレッシェンドを補うことは
推奨されています。
◉ 最新ピアノ講座(7) ピアノ名曲の演奏解釈Ⅰ (音楽之友社)
Amazon著者ページ
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