譜読みが終わって弾き込み期間に入ると
学習者のタイプによっては
やる気が増す場合と
やる気がなくなる場合とに
はっきり分かれるようです。
これはおそらく、
「譜読みという過程がひととおり済んだから、これからさらに深い面を探究できる」
と思うか、
「新しい作品がだんだん弾けるようになってくるという段階が終わってしまった」
と思うかの違いなのではないでしょうか。
普段から譜読みの重要さを大きく感じている方にとっては、
それが終わって弾き込み期間に入ると
音楽のさらなる内部に集中できて楽しく感じる。
一方、
はっきりとわかりやすいカタチで
新しいことができるようになっていく過程に
より充実度を感じている方にとっては、
譜読みが終わって弾き込み期間に入ると
退屈に感じてしまう可能性がある。
中級以上の学習者のうち
より音楽を深く追求しようとしている方は
おそらく前者に該当する場合が多いでしょう。
いずれにしても、
弾き込みの段階においてやるべきことがあります。
毎日、たったひとつでもいいので
今まで気がつかなかったことを
その作品から探し出してください。
平たく言えば、
「譜読みが済んだと思ってからも、譜読みの視点をもっているべき」
ということ。
「楽譜上のちょっとした見落とし」
でもいいですし、
「自分のその楽曲に対する考え方やアプローチ方法」
などでもいいので、
とにかく毎日何かひとつ
有益なことを発見してください。
このようにすれば、
いつでもその作品に興味と新鮮味をもって
向かい合っていくことができるでしょう。
パスカル・ドゥヴァイヨンは
「パスカル・ドゥヴァイヨンのピアノと仲良くなれるテクニック講座」
(著 : パスカル・ドゥヴァイヨン 訳 : 村田理夏子 / 音楽之友社)
という書籍の中で
以下のように述べています。
ひとつの作品とは、私たちが歩き遂げなければならない道のりのようなものです。
(抜粋終わり)
この言葉はまさに
本記事で言いたいことと直結しています。
「何かひとつでも新しいことを発見しよう」
という気持ちを捨てない限り、
ずっとその作品から得られるものがあり
ずっと寄り添っていくことができる愛奏曲になるのです。
◉ パスカル・ドゥヴァイヨンのピアノと仲良くなれるテクニック講座
(著 : パスカル・ドゥヴァイヨン 訳 : 村田理夏子 / 音楽之友社)
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