【ピアノ】ある音型をもう一方の手へ引き継ぐときのコツ

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音型から隠されたフレーズを見抜き、
片方の手からもう一方の手へ引き継ぐときは
できる限り、フレーズにあわせた受け渡しにする。
これが、
ある音型を音楽的にかつ弾きやすく
両手でやりとりするコツです。

 

具体例を見てみましょう。

楽曲が変わっても考え方は応用できます。

 

モーツァルト「ピアノソナタ第14番 K.457 第3楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、65-68小節)

ここでは

下段へ移動した67小節目の頭から

左手でとることも可能ですが、

補足したように

67小節目の頭の音までは右手で弾き、

1拍目の裏から左手へ受け渡すやり方が

より良い運指となります。

 

なぜかというと、

この箇所をあえて作曲の視点で細分化するならば

点線スラーで補足したようなフレーズになっているから。

フレーズにあわせて

手の引き継ぎも一致させたことで

演奏がより自然になるわけです。

 

【補足】
上記の譜例では
subito f が出てくるので
もう1パターンの有効な運指があります。
【ピアノ】弾く手を変えれば、subito はカンタン
という記事を参考にしてください。

 

楽曲にもよりますが、

フレーズが連結されているときというのは

拍頭の音まで

前のフレーズが続いていることが多い。

 

典型的な例は

以下のような作品です。

 

J.S.バッハ「インヴェンション第1番 BWV772」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)

 

隠されたフレーズを見抜き、
片方の手からもう一方の手へ引き継ぐときは
できる限り、フレーズにあわせた受け渡しにする

これを基礎に運指を決めていきましょう。

出てくる音が音楽的になり、

弾きやすくもなりますので。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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