音が細かく動いている場合、
ダンパーペダルの踏み方にはある程度の可能性しかありませんが、
長く伸ばされる音の場合は
どのタイミングでペダルを踏み込むのかについて
選択肢が急増することになります。
譜例で見てみましょう。
ベートーヴェン「ピアノソナタ第23番 熱情 ヘ短調 op.57 第2楽章」
譜例(PD作品、Finaleで作成、曲頭)
いくつかのペダリングを示しましたが、
どのやり方でも間違いではないでしょう。
一方、
どれも成立するけれども
どれも出てくる音色が異なります。
鍵盤を押し下げている音に対応するダンパーは
(押し下げている間は)上がっているわけですが、
ダンパーペダルを踏み込んだ瞬間に
一気にそれ以外のすべてのダンパーも上がるため
全ての弦が響く状態になります。
この状態は
一種の「トンネル状態」であり、
ピアノの中へ向かって声を出すだけでかなり響きます。
だからこそ、
打鍵したあと
それが響いているうちに
ダンパーペダルを踏み込むことによって
他の弦までもが共鳴し
音色が変化するわけです。
その変化のタイミングをいつにするのか、
という選択肢を譜例で示しています。
演奏する箇所において、
自分がイメージしている
欲しい音色を表現できるのは
どのタイミングで踏み込んだときなのか。
それを、試しながら注意深く決定してください。
普段から
ダンパーペダルを使っていないときのドライなサウンドと
使ったときの豊かなサウンドとの差を
しっかりと聴き取る習慣をつけるようにしましょう。
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