【ピアノ】失敗しない運指決定のキモは、統一性

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本記事では、
ミシェル・ベロフが示した運指をピンポイントで例に挙げて
その運指がなぜ優れているのかを解説しています。
失敗しない運指決定のポイントを
知ることができるでしょう。

 

【ピアノ】運指は暗譜にも影響を与える

という記事で、

◉ まったく同じ繰り返しでは ”必ず” 同じ運指を使う
◉ 似ている繰り返しでは ”できる限り” 同じ運指を使う

これが重要であると書きました。

できる限り整合性を保ったまま弾けるように運指を決定することが

暗譜で失敗しないポイントです。

 

「失敗しない運指決定のキモは、統一性」

とも言えるわけですが、

統一性をとるために工夫できることは他にもあります。

 

具体例で見てみましょう。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ドビュッシー「前奏曲集 第1集 亜麻色の髪の乙女」

譜例(PD作品、Finaleで作成、35小節目)

ここでの上段における運指は

さまざまなやり方がとられていますが、

筆者は譜例に補足した運指を使用しています。

この運指は、

ミシェル・ベロフが

TV番組「スーパーピアノレッスン フランス音楽の光彩」

のテキストの中で指示している運指でもあります。

 

では、この運指がなぜ優れているのかを考えてみましょう。

 

(再掲)

運指番号のすぐ上へ書き込んだカギマークを見てください。

この運指を用いた場合、

「3つ→2つ」の組み合わせをワンセットとして

まったく同じカタチを1オクターヴ上で繰り返して

「3つ→2つ→3つ→2つ」

と弾くことになります。

 

つまり、この1小節の中から

まったく同じカタチによる繰り返しを見つけ出して

そこへ最適化した運指をはめたということですね。

運指決定にとって

ある程度は楽曲分析の力も助けになるんです。

 

(再掲)

一方、上段の音符の下側へ書き込んだカギマークを見てください。

このように

「2つ→2つ→2つ→2つ→2つ」

というようにつかんでいく運指も

使われることがあるようですが、

上記「3つ→2つ→3つ→2つ」の運指と比べると

大きな欠点があります。

「2つ→2つ→2つ→2つ→2つ」の各始まりの音が

すべて異なり不統一であるため

毎回手のポジションが変わってしまうこと。

それにより、

「暗譜への問題点」や「ニュアンスをそろえる難しさ」などが

出てきてしまいます。

 

「失敗しない運指決定のキモは、統一性」

これを今一度踏まえておきましょう。

 

◉ スーパーピアノレッスン8-12 フランス音楽の光彩 (NHKシリーズ)

 

 

 

 

 

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)の魅力にとりつかれて、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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