あまり取り入れられていない方法ですが、
筆者が強くオススメする初見演奏の練習方法を紹介します。
それは、「片手のみでの初見練習」。
両手で演奏する楽曲の場合、
左右両方の手で演奏する音が合わさり
リズムなども組み合わさった結果、
ひとつの音楽になります。
したがって、
片手のパートのみを取り出して初見演奏をしてみることで、
「もう片方の手のパートがないぶん、リズムの構造をしっかり把握する必要がある」
という課題が出てきます。
これを克服しないと
拍を取り違えてしまう可能性が出てきてしまう。
傾向のひとつとして、
「ピアノ奏者は拍を何となくで捉えている方が非常に多い」
ということがあります。
ピアノの演奏では
たいてい、両手でリズムを補完しながら演奏していくので、
片手のパートの拍子の感覚が曖昧でも演奏できてしまうことが多いのですが、
こういった状態で片手のみを取り出してみると
うまく拍を数えられなかったりする。
一方、単旋律で演奏するのが主である楽器奏者の場合、
譜読みをするときには
原則、それ以外の音の助けを借りずに読まないといけないので、
拍を整理しながら正しいリズムで勘定していく訓練が
常にいきわたっています。
片手のパートのみを取り出して初見演奏をしてみることで
読譜力アップを目指せる理由がお分かりいただけたかと思います。
ピアノ曲によっては
常に両手が補完し合っているとは限らないので
こういった部分の読譜力をつけておきましょう。
さらに、片手のパートのみを取り出した初見演奏の派生練習として、
J-POPなどのメロ譜(メロディとコードのみが記載された簡易譜)などを用いて、
メロディだけを取り出した初見練習をしてみると良いでしょう。
皆さんもご存知のことと思いますが、
「歌もの」はメロディにシンコペーションや同音連打などが
非常に多く出てくる傾向にありますので、
教材として使用することで
片手だけで細かなリズムを初見で表現して
拍を正しく捉える練習に最適なのです。
それに、J-POPなどのメロ譜が収録された楽譜集は簡単に手に入るうえ、
メロディとコードしか載っていないのですから
1曲あたりのページ数も少ないため、
1冊に100曲近くもの楽曲が収録されているものもあります。
「初見教材の不足」という問題も起きません。
“初見” なので
すでに聴いて知っている楽曲よりも
未だ知らない楽曲を選んで教材にするのがベターですが…。
歌ものに明るくない方は、お試しください。
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