【ピアノ】音楽が閉じていくときにrit.をかけないこと

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本記事では、
テンポ関連で無意識にやってしまいがちなこと
について取り上げています。
ほんとうにあるあるですので
是非この機会にチェックしましょう。

 

具体例を挙げます。

楽曲が変わっても基本的な考え方は応用できます。

 

ベートーヴェン「ピアノソナタ第2番 イ長調 作品2-2 第1楽章」

譜例(PD作品、Finaleで作成、112-117小節)

譜例の箇所のように

音楽が収束していくところ、

つまり「音楽が閉じていくところ」で

無意味にrit.してしまっていませんか。

作曲家があえてrit.と書いていない限りは

基本的には不要です。

 

必ずしも終止型を作っていない箇所も含め、

音楽が閉じていくところは1曲の中に何回も出てくるのが普通。

その都度テンポをゆるめていると

音楽に段落感のつくところが増えすぎてしまいます。

そうすると、

いちばん段落感をつけたいところが活きませんし

音楽全体の流れもぎこちなくなってしまいます。

 

別の言い方をすれば、

「音楽が閉じていくときにrit.をかけないこと」

というよりは

「かけるかどうかを必ず考えるべき」。

 

(再掲)

譜例の箇所は

一応の「締めくくり」ではありますし、

ほんの少しだけテンポをゆるめるのは

一部のピアニストはおこなっていることです。

しかし、

楽曲が終わってしまうのではないか

と思うほどrit.するプロはいません。

 

必ず楽曲全体におけるその箇所の意味を考えて

ほんとうにテンポを緩めるべきかを

考えるようにしましょう。

そして、緩める場合でも

「ほんの少し息を入れる程度」

にしたほうが

楽曲全体のバランスは優れたものになるでしょう。

 


 

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この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

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