譜例(PD楽曲、Finaleで作成、7-8小節)
ここでのダイナミクス指示は
モーツァルト自身によるものですが、
少し変わっていて
音型と逆を行くダイナミクス表現になっています。
メロディの音型的には上昇していき開いていくのですが、
デクレッシェンドが書かれていて
音量的には閉じていきます。
ただ単に上昇型でデクレッシェンドをしていく例は
他にも結構ありますが、
このような
歌い上げるようにクレッシェンドをしたくなるところに書かれているのは
興味深いところです。
(再掲)
上記のダイナミクス指示がとられた理由は
モーツァルトにきかないと分かりませんが、
予想を立てることはできます。
譜例の直後、9小節目から第2主題が f で始まり
その音型は第1主題と対照的なものとなっているので
その f での出現を活かしたかったのではないかということ。
加えて、前後関係の理由のみでなく、
上昇していき開いていく音型にデクレッシェンドがかかることで
天国的な美しさを感じるので、
実際にサウンドとしても
そのように聴かせたかったのかもしれません。
いずれにしても、
表現的には比較的珍しいもの。
その音楽表現を
目と耳との両方で確かめてみましょう。
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