【ピアノ】音型と逆を行くダイナミクス表現を知る

スポンサーリンク
本記事では、
音型と逆を行くダイナミクス表現がとられている例を紹介します。
同じ音程、同じリズムでも
ダイナミクス表現次第で
音楽がガラリと変わることに興味をもってください。

 

モーツァルト「ピアノソナタ ト長調 K.283 第2楽章」

譜例(PD楽曲、Finaleで作成、7-8小節)

ここでのダイナミクス指示は

モーツァルト自身によるものですが、

少し変わっていて

音型と逆を行くダイナミクス表現になっています。

 

メロディの音型的には上昇していき開いていくのですが、

デクレッシェンドが書かれていて

音量的には閉じていきます。

ただ単に上昇型でデクレッシェンドをしていく例は

他にも結構ありますが、

このような

歌い上げるようにクレッシェンドをしたくなるところに書かれているのは

興味深いところです。

 

(再掲)

上記のダイナミクス指示がとられた理由は

モーツァルトにきかないと分かりませんが、

予想を立てることはできます。

譜例の直後、9小節目から第2主題が f で始まり

その音型は第1主題と対照的なものとなっているので

その f での出現を活かしたかったのではないかということ。

加えて、前後関係の理由のみでなく、

上昇していき開いていく音型にデクレッシェンドがかかることで

天国的な美しさを感じるので、

実際にサウンドとしても

そのように聴かせたかったのかもしれません。

 

いずれにしても、

表現的には比較的珍しいもの。

その音楽表現を

目と耳との両方で確かめてみましょう。

 


 

Amazon著者ページ
https://www.amazon.co.jp/~/e/B0CCSDF4GV

X(Twitter)
https://twitter.com/notekind_piano

YouTube
https://www.youtube.com/channel/UCBeXKaDXKd3_oIdvlUi9Czg

 


 

無料トライアルで読み放題「Kindle Unlimited」

 

筆者が執筆しているピアノ関連書籍に加え、

数多くの電子書籍が読み放題になるサービスです。

 

Kindle Unlimited 読み放題 無料トライアル

 

この記事を書いた人
タカノユウヤ

ピアノ音楽(ピアノソロ、ピアノが編成に入った室内楽 など)に心惹かれ、早何十年。
ピアノ音楽の作曲・編曲が専門。
物書きとしては楽譜だけでなく文章も書いており、
音楽雑誌やサイトなどでピアノ関連の文筆を手がけています。
Webメディア「大人のための独学用Webピアノ教室」の運営もしています。
受賞歴として、第88回日本音楽コンクール 作曲部門 入賞 他。

タカノユウヤをフォローする
ダイナミクス
スポンサーリンク
タカノユウヤをフォローする
大人のための独学用Webピアノ教室(ブログ版)

コメント

タイトルとURLをコピーしました