現実的ではない
モヤがかかったような音色が求められる場面って、
ときどきでてきます。
例えば、以下のような例。
ドビュッシー「前奏曲集 第2集 より 花火」
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
ここでの細かなパッセージは
モヤがかかったような音で
遠くで鳴っているかのようです。
ドビュッシーによって
「léger, égal et lointain(軽く、音の粒をそろえて、遠くで響くように)」
とも書き添えられています。
テクニック的には
指を高く上げすぎず
鍵盤に触ったまま打鍵する意識を持つと
モゴモゴ言わせることができます。
表現を助けるために
ソフトペダルを用いるのもアリです。
速いパッセージだからといって
指を高く上げて発音してしまうと
現実的なナマっぽい音になってしまいます。
もう一例挙げておきます。
譜例(PD楽曲、Finaleで作成、曲頭)
この例でも同様に
細かいパッセージは
モヤがかかったようなはっきりしない音色で欲しいところ。
他の作曲家の作品では
例えば、サルヴァトーレ・シャリーノなどは
ピアノ曲において
同様な表現をたくさん取り入れています。
「とても動いているのに、とても静か」
というのは
ある意味では特殊な表現と言えるわけですが、
これを見事に表現できるようになれば
こなせる作品の幅が広がります。
上記の演奏注意点を参考に、練習してみてください。
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